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 ボディガード (8)


「なんで、アタシもついて行かないといけないのよ」


 アタシはザザにぶー垂れる。


「じゃ、お前、騎士や衛兵に守って貰うか? 別に俺は構わないぞ」


 アタシは少し考える。そういえば、ザザは衛兵を雑魚扱いしてたわ。まあ、すこし図書館に寄るくらい我慢するか。


「待ってよ。ついてくついてく」


 アタシはスタスタ歩くザザを追っかける。


 昨日はピオンという娘はすぐに帰って、ザザはうちのリビングのソファで寝てた。うちに男を泊めるのは初めてだけど、ザザだから何とも思わないわ。

 今日は幾つかリハーサルを終えて、帰る前にザザが城の図書館に行きたいと言い始めた。




「はい、ザザ。集めてた資料よ。けど、何の茶番なの?」


 図書館に行くとザザを見てちっちゃい女の子が走り寄って来た。そして、紙の束を渡した。


「ありがとう、ジブル。まあ、厄介な相手らしいから、相手を油断させるためだ」


 ザザが何を言ってるのかわからないけど、これは犯罪だろ。昨日のピオンも小っこかったけど、この子はどう見ても幼女だ。もしかして……


「ザザって、もしかしてロリコンなの? だからアタシのような完全無欠な美女を見ても何も思わない訳ね」


 アタシは何か言おうとするザザを手で制する。


「何も言わなくていいわ。性癖は人それぞれだから。けど、この子はダメよ。こんな幼い子に手を出したら犯罪者よ。ノータッチ案件だわ」


「ちょっと待てよ。人の話を聞け俺はロリコンじゃない。それにコイツはグラスホッパー、俗に言う子供族ホップだ。こう見えてもお前より間違いなく年増だぞ」


「年増?」


 ん、幼女の額に青筋が?


「えー、何言ってるんですか? ザザさん。私は正真正銘12才ですぅ。ポップって何ですか? あ、解りました。三段跳びの掛け声ですね。ホップ、ステップ、ザップ」


 幼女がクネクネして言う。あ、これ間違いなく子供族ポップだわ。近くでまじまじ見るのは初めてだけど、明らかに表情が下卑ている。子供のする表情じゃないわ。


「おいおい、それいうなら、ホップ、ステップ、ジャンプだろ。用はすんだだろ。とっとと帰れ」


「うわ、ザザさん怖ーい。まさか護衛の対象が女の子なんてね。家に帰って言いつけてやるわ。バーイ!」


「おい、ジブル。止めろっ。ってしょうが無いな」


 幼女は手を振りながら走り去った。何だったんだろう。


「そういえば、ザップって言ってたわよね。あの子もモンキーマンザップのファンなのかしら?」


「……ああ、そうなんじゃ?」


 なんかザザの歯切れが悪い。


「アタシ、ザップ大好きなのよ。見たのよコロシアムで勇者を倒すのを。凄かったわ。倒れても倒れても立ち上がって、最後には勇者を倒したのよ」


 荷物持ちが勇者を倒す。アタシはそれを見て勇気を貰った人間やれば何でも出来るんじゃないかって。


「そうだな、それより、これはアブソリュートのやった事件を集めてもらったものだ。さすがに相手の手の内が解らないと守れるものも守れないからな」


 ザザの口数が多い。なんか強引に話を逸らされたわ。モンキーマンザップの事が嫌いなのかしら?

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