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涼しくなる食べ物


「あっちーな……」


 部屋の中央にはでっかい氷があるのに暑い。とにかく暑すぎるのだ。僕は決めた。将来はお金を貯めて避暑地に別荘を買おう。ザップハウスごと涼しいどこかに引っ越す事も考えたけど、この街は便利だからそれは無しだ。

 なぜ避暑地かと言うと、避暑地にはお金持ちが多いからいろいろなお店も多い。あんまり田舎で不便なのは今の僕には耐えられない。

 ちなみに今僕たちがいるのは家のリビングで、中央には導師ジブルに出して貰ったでっかい氷がある。部屋の中は基本的に涼しいんだけど、今日は極端に暑すぎて機能してない。明日は氷を2つ出して貰おう。その氷に服が濡れるのも気にせずびっちゃーっと貼り付いてる少女が1人。ドラゴンの化身のアンだ。コイツは冬は寒いからと言って、今は暑いからと言ってゴロゴロしてばっかだ。いつ働くつもりなんだろうか。まあ、けど、ドラゴンっていつも寝てるイメージだから、ドラゴン的にはそれが普通なのかもしれない。アンの反対側ではオブも同様に氷に貼り付いてる事だしな。そして、その横にはハイエルフのノノが腹ばいでまるで屍のように寝てる。ピクリとも動かない。彼女言うには動くと熱が発生するから動かないと暑くなりにくいそうだ。


「はーい、みんな、起きて、起きて、お昼ご飯よー」


 マイが収納からテーブルに昼飯を並べ始める。マイは普段はキッチンから料理を運ぶのはお盆で運ぶんだけど、今日は収納を使っている。マイ言うには収納から出すより、運んだ料理の方が美味しそうに見えるからだそうだ。けど、これも暑さのせいだろう。僕たちはノソノソと食卓につく。


「今日は、なんと、涼しくなるって言われている料理を作ったわ。体の中から涼しくして、暑さを乗り切るわよ」


 マイが言うとおり、温かい料理は見た所無い。


「ざる蕎麦と、トマトと胡瓜のチョップドサラダ。それに、豚しゃぶのカルパッチョよ。それではいただきます」


「「「いただきます!」」」


 さっきまでゾンビみたいだった僕たちは、一気に生気を取り戻すと、ガツガツと食事し始めた。基本うちはみんな健啖だ。一番小食なのはマイだ。

 まずはサラダ。薄味でシャキシャキしてて食が進む。今日唯一のお肉、豚しゃぶのカルパッチョは肉好きな僕たちに合わせてどかもりだ。優しい酸味があり、これもモリモリ食べられる。そしてざる蕎麦。コシがある麺をつゆにつけて豪快にすする。なんとなく暑さで食欲が落ちてたんだけど、気がついたら全部食べ終わっていた。なんとなく、暑さが和らいだような気がする。


「あと、デザートは、夏の名物スイカです」


 僕たちはキンキンに冷えたスイカを口にする。


 涼しくなる食べ物尽くしってマイは言っていた。なんて言うか、ご飯の前より汗が引いて涼しくなった気がする。食べ物でも結構涼しくなるもんだと実感した。


 



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