姫と筋肉 誕生(4)
すみません、時間無くて。少しづつ書き足します(T_T)
「あ、あんたらザパンさんの知り合いなんだろ。俺たちに何の用だ?」
デュパンは怪訝そうな顔で少女達を見る。私と違って、馴染みが無い者にでも躊躇い無く話せるデュパンがうらやましい。私も男のはしくれ、この時は可愛い女の子達と友達になりたいななどと不遜極まりない事を考えていた。
「ザパン? ああ、変身したザップの事ね」
少女達の1人、やたら胸がデカイ魔法使いみたいな格好の者が口を開く。痩せてるのに巨乳、私の人生で初めて見る奇蹟のプロポーションだ。
え、ザップって言わなかったか? ザパンさんは変身したザップ? ザップと言えばこのギルドから生まれた英雄、最強の荷物持ち。まさかとは思うがあの筆舌につくし難いザパンさんの強さ。あんな人間がまだこの街にいるとは考え難い。
「今からお前たちには『原始の迷宮』について来てもらうっす」
何いってるんだ? この赤毛の娘は?
「なんで、俺たちが迷宮に行かないといけないか解らんけど、すまんが俺たちは疲れてるんだ」
デュパンが言うとおり。我々は依頼を果たしたばかりだし、懐も暖かい。もし迷宮に行くにしてもしばらくゆっくりしたいな。
「面倒くさいっすね。ルル、やっちまうっす」
「はーい。魅力」
ルルと呼ばれた女の子がぐるりと僕らを見渡す。目が合ってしまった。その瞳は金色に光っている。美しい、なんて美しいんだ。なんで今まで気がつかなかったのだろうか、目の前に素晴らしい女性がいるのを。私は彼女のためなら何でも出来る。進んでこの命でさえ差し出そう。靴を舐めろと言われたら、喜んで舐め尽くすし、彼女が食べろと言うならばなんでも食べて見せる。私が苦手なピーマンでさえも、笑顔で食べて見せる。
心の中でルル様を称えていると、彼女たちは席を立ち、我々も当然の如くついていく。ギルドを出て王都を出た所で、いつの間にかリヤカーが現れていた。ルル様に促されて我々がそれに乗り込むと、ルル様のお仲間のエルフの女性がそれを曳く。そして、街道を驀進し始めた。な、なんだこりゃ? 早い、明らかにいかなる馬車より早い。この時初めて私は気付いた。可憐な姿をした彼女たちは絶対的な強者であるという事を。振り落とされないようにしっかりリヤカーに摑まって、我々は街道を進み、荒野を進み、そして、迷宮の入り口にたどり着いた。普段だったら、数日はかかるであろうと思う距離を数時間で移動した事に驚嘆する。
「デル、遅い。最近運動不足じゃないの?」
少女の1人、ポニーテールの神官衣の女の子が妙な事を言っている。エルフ少女の名前はデルと言うのだな。覚えておこう。おかしい、そう言えば、いつの間に彼女たちは迷宮に着いたのだろうか? 我々が乗ったリヤカーの方が先に出発したのに。
「しょうがないでしょ。出来るだけ道を通らないと、車壊れちゃうし。私はあんた達と違って、か弱いんだから」
どこがだ! 私は言葉を呑み込む。危険だ。このデルという化け物の少女より、他の3人の方が物理ではより強いのか? もし、彼女たちの機嫌を損ねたら我々は瞬殺されるだろう。
それに、さっきは何をされたんだ? 多分魅了の魔法だと思うけど、全く抵抗できなかった。ルルと言う少女は確かに可愛いが、さっきは妄信していた。物理でも魔法でも我々は彼女たちの足下にも及ばない。
気が弱いパムなど、今はガチガチ震えている。我々の命は今は間違いなく彼女たちが握っている。
次に続きます。
今日は時間が無ければここまででお願いします。