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 竜2人


 僕がソファに座って本など読んでいると、珍しい事に気付く。あと部屋にいるのはドラゴン娘アンと、ドラゴン小僧オブの2人だ。この2人だけと一緒になる事は少ない。だいたい他に誰かいる。アンは僕の収納スキルのタブレットを出して見ながらなんかしてて、オブがそれを覗き込んでいる。


「アン、何してるんだ?」


「え、私の収納領域の中身をフォルダーに入れてカテゴライズしてます」


 何か賢そうな事言ってるが、要は収納の中のアンの場所に入れた食べ物を分類してるのだろう。奴の領域には食べ物しか入って無い。それを見てオブが羨ましがってるという塩梅なのだろう。本当に2人とも食べ物ばっかだな。まあ、それはそうと、折角ドラゴンが集まってるんだから、ドラゴンについて訊いてみるか。


「そう言えば、お前ら2人とも古竜だよな。古竜って他にもまだいるのか?」


「そうですね、私はあんまり覚えてないです」


 盤石なアンの答え。


「僕も残念ながらあんまり覚えてないです」


 オブもか……


 けど、こんな時のために新兵器がある。ブレインフードだ。食べると頭が良く働くようになるという食べ物を収納に集めてある。ちなみに導師ジブルから教えてもらった。


「お前らコレを食え」


 皿に乗ってるのはしめ鯖、バナナ、ブルーベリー、ピーナッツ、ブロッコリー、チョコレートと、小皿に入れたオリーブオイルだ。


「ご主人様、なんですかこの組み合わせ」


 食べ物にアンが文句を言うのは珍しいな。


「ザップさん、あまりにも組み合わせの趣味悪くないですか? 油なんか何にするんですか?」


「ん、頭が良く働く食べ物らしい。不満があるなら全部混ぜて口に突っ込むぞ」


「ま、待って下さい。食べます。食べます」


「あと、水も必要らしいからしっかり飲めよ」


 カップに水も出してやる。いい実験になりそうだ。


 2人は文句を言いながらも、ペロリとそれを平らげた。


「うわっ、油なんか飲むものじゃないですね。何の罰ゲームですか。口の中ヌルヌルします」


 オブの分際で生意気だな。


「そうか、お替わりほしいのか?」


「いやー、お腹一杯です」


 オブは僕に両の手のひらを向ける。男らしく無い奴だな。コップ一杯くらいオリーブオイルを飲んだら称えてやるのに。


「で、どうだ? 頭働くようになったか?」


「そうですね、なんか頭がすっきりしたような」


 アンが僕を見る目に若干知性が増したような。まじか効果あるのか?


「そうですね。私が覚えている仲間は、オブシワン、ゴルドラン、アダマックス、シルメイスくらいですかね」


 おいおい、そいつらみんな遭遇した奴ばっかだろ。今後もし古竜に会った時の対策に聞いてるのに。


「僕もそれくらいしか思い出せないですね。もっと弱い奴もいた気もするんですが、基本的に僕は一匹狼、いや、一匹ドラゴンでしたからね」


「そうか、そうだよな。お前ら、友達多く無さそうだもんな。特にオブ。一匹狼とか自分で言って恥ずかしくないか? 要はただのボッチの嫌われ者だろ」


「いやいや、ザップさんには負けますよ。ザップさんだってそうでしょ? 僕たち以外に友達居ないでしょ」


 なにっ、オブにしては鋭いな。そうだな、僕もボッチかも……


「そうですね、僕の本体を掘り起こして合体したらもっと色々思い出せるかもしれないですね」


「「却下!」」


 僕とアンがハモる。うん、アンも少しクレバーになってるような。


 ブレインフードは効果あるのかもしれない。今度はそれらを混ぜて潰したブレインフードミックスジュースでも作ってやる事にしよう。


読んでいただきありがとうございます。


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