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 ババロア


「今日のデザートは、ババロアよ。準備するから待ってて」


 マイはキッチンの方へと向かう。ババロア、初めて聞く名前だ。一発で覚えられるような力ある単語だな。


「ところで、ババロアってなんなんだ?」


 僕は僕の愉快な仲間たちを見渡す。残念な事に家一番の物知りさんの導師ジブルが居ない。ドラゴン娘アン、ドラゴンぽっちゃり少年オブ、沈魚落雁羞花閉月のハイエルフ様、みんな訝しげな表情だ。


「ザップさん、すみませんが、僕も初めて耳にする単語です。まあ、マイさんが作るものなので間違いは無いでしょう」


 まあ、そうだな。オブは長い事地中に封印されていたから知ってる訳ないか。


「ご主人様、私も全く見当つきません」


 アンもずっと地下にいたみたいだからな。結構色々なものをマイと食べ歩いているみたいだけど、まだ食した事が無いものなんだろう。


「ノノも知らないかしら。ノノが封印される前には存在しなかった食べ物みたいね」


 ノノは小首を傾げる。むむっ、可愛い。ヤバい見とれるな、あの頭の中にはあり得ない程にドロドロしたものが詰まってるはずだ。

 それにしても、僕以外みんな長い事封印されていた存在だな。コイツらどんだけ迷惑な存在なんだよ。なんかコイツらに囲まれていると、僕まで犯罪者になった気分だ。僕は人畜無害この上無しなのに。


「ノノは知らない言葉だけど、今までの考察と小さな図書館並みの私の知識をもってすると、その意味を推測する事は出来るかしら」


 ノノの目がキラリと光る。コイツはこんな事言ってるが、僕的にはコイツに賢さを感じた事無いような。


「まず、『ババ』という言葉だけど、その意味は、年を取った女性という意味のババアが短くなったものか、それか方言で大便の事を『ババ』と言う地方もあるわ」


 やっぱり馬鹿だなコイツ。食べ物だっつーの。


「あと、『ロア』これは簡単ね。大声を上げるとか、伝承とかそう言う意味かしら。これで類推出来る結論は、ババロアとは、『大声を上げるババア』の事か、『ババアの伝承』、それか『大便しながら大声を出す』、『大便伝承』このどれかね」


 顔に反比例した頭しやがって、汚い言葉使うなや!


「おい、何言ってやがる。マイがそんな事言う訳ないだろ。食べ物だっつーの」


「はいはい、ザップ、大声出さないの。はい、お待たせ。ベリーのババロアよ」


 マイが僕たちに赤いプルプルした皿に乗ったものを配る。プリン? ゼリー?


「う、美味すぎる」


 それはふんわりとした食感で甘くてプルンとしたお菓子だった。決してノノの言葉とはにても似つかないものだった。


  

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