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番外編 荷物持ちお仕置きする

蛇足かもしれませんが、少し、物足りなくて、よろしくお願いします。


「ザップ! くたばりやがれ!」


 おもむろに岩陰から出て来た巨体の戦士が、僕に向かって馬鹿デカい大剣を振り下ろす。漆黒の鎧を纏っている。

 

 かつて仲間だった戦士ダニーだ。


 僕はその一撃を軽く横に流し距離を取る。




 僕たちは街を出て街道を北に向かって歩いていた。そこにいきなりダニーが襲いかかって来たのが今だ。必死に隠れてるつもりだったんだろうけど、残念なことにモロばれだった。


「あんな卑怯な手でアレフを倒したとしても、あたしたちは納得いかないわ。たまたま相性が悪かっただけよ! 調子に乗るんじゃ無いわよ、ザコ荷物持ちの分際で!」


 陰から出て来た魔法使いポポロはそう言うと巨大な火の玉を数発放つ。僕は大事にそれを全て収納にしまう。貴重な火の玉ありがとうございます。


「納得いかないのはこっちも同じだ! お前たちとは戦って無いからな!」 


 僕は収納からミノタウロス王のハンマーを出して構える。ありがたい事に、あの後切断面をくっつけてたら、自然と修復していた。

 

「荷物持ち、生意気、殺す! 神よ力を貸したまえ、フル・ポテンシャル!」


 さらに岩陰から現れた聖女マリアが、彼女たち三人に強化魔法をかける。肉弾戦をするつもりだな。望むところだ。受けて立ってやる。


「ザップ、手伝わなくていいの?」


 マイが斧を持って僕の横に立つ。


「大丈夫! まあ、俺の因縁だからな」


 さすがに、マイに一撃で首を刎ねさせたら、つまんなさすぎる。こいつらは満足いくまで十分にいたぶってやる!


「ご主人様、私、手伝いましょうか?」


 ドラゴンの化身アンが嬉しそうに前に出る。最近、こいつはあまり戦って無かったからな。けど、ダニー達の相手は僕だ!


「いや、いい。しっかり見とけよ」


 僕はアンを押し止める。


「かしこまりました、しょうがないですね」


 アンは嬉しそうに首を縦に振る。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「すびばせんでじだ……」


 ダニーは涙声で謝っている。せっかくの強面が台無しだ。


 3人は下着姿で僕に土下座している。殺さない程度にほどよくしばいたあと、一応安全のために装備は収納にいただいた。売っぱらってやろう。


「これに懲りたら、もう2度と妙なことするなよ!」


「「「はい……」」」


 3人の返事が仲良くハモる。

 

「あと、これからは少しは世のため人の為に働けよ!」


「「「ははぁ……」」」


 三人は地面に頭をこすりつける。気位の高かったはずの彼らは、今は卑屈極まりない。


 少し不憫になってきた。積もる恨みはあるが、これくらいで勘弁してやろう。


「では、行こうか」


 僕は3人に背を向ける。


 

 ゴォオオオオオーッ!



 なんか変な音に振り返ると、アンが3人にブレスを吐いていた。勢いよく燃えている3人に近づき、もったいないけど、エリクサーをかけてやる。なんとか生きてはいるけど、気絶している。


「おいおい、アン、やりすぎだろ」


「なに言ってんですかご主人様、こいつらご主人様様が背中を向けた瞬間、なんか投げつけようとしてましたよ! 多分毒のついたものですよ」


 相変わらず、性根の腐ったやつらだな。暗器をどこに隠し持っていたのだろうか? 今後のために消し炭にしてしまった方がよかったかも。


「うあ、ひど! 髪の毛もまつげも全部燃えてるわ……」


 マイがポポロとマリアをしげしげと見ている。彼女たちはしばらく楽しい生活を送れる事だろう。3人とも下着も燃えてしまってるので、一応餞別に彼女らにミノタウロスの腰巻きを1枚づつかけてやる。女尊男卑だ。ダニーにはあげない。彼は男の子なのでそんなものなくてもたくましく生きて行く事だろう。


 どんな美女でも、髪の毛と眉と睫毛がないと恐ろしい生き物になるという事を学んだ後、僕らはまた歩き始めた。


 これで奴らも少しは改心する事だろう。


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