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 チャレンジャー2


「せいっ! せいっ! せいっ!」


 僕は掛け声と共にハンマーを振る。


「「せいっ! せいっ! せいっ!」」


 僕と同じ掛け声が後ろから響く。掛け声は僕にみんな影響されているようだ。僕からは見えないが、後ろでは可憐な少女達が鬼ぶっとい斧を振るっている。その様は圧巻だ。彼女たちの斧はミノタウロスの斧。大の大人の男が2人がかりで持てるか持てないかの化け物武器だ。ただ持ち上げて振り下ろすだけで大概の生き物を絶命させうる。コレを見ても挑戦者があとを絶たないのはなぜなんだろうか?


「ザップ・グッドフェロー殿、胸を借りたくて馳せ参じました!」


 あーあ、また来たよ。今度はフルプレートの騎士さんだ。無視無視。次は誰がいくのかな? 僕は気にせず素振りに没頭する。


「それでは、次の守護者を皆様コールお願いします」


 マイが拡声の魔道具で声を張る。おっと、マイが構っているって事はあの騎士結構強いんじゃ? 僕にはクソ雑魚にしか見えないけど。


「お前たち、私の名前を呼ぶがいい。私の名はノース・ノスフェラティ。ノノと呼ぶがいい。至高のハイエルフにして、音に聞こえし精霊王とは私の事。我が華麗な舞を見せてくれようぞ!」


 後ろからノノの尊大な言葉が聞こえてくる。ほう、珍しい。今日はノノも来ているのか。けど、大丈夫だろう。あの子豚みたいな生き物をコールする者などいる訳が無い。多分無難にマイかデルあたりがコールされ戦う事だろう。


 ざわざわ、ざわざわ、ざわざわ。


 ん、なんだこのざわめき?


「ノーノ! ノーノ! ノーノ! ノーノ!」


 え、嘘だろ。あんなぽっちゃりが戦うのを見たいのか? しかもアイツが戦ったらロクでも無い事にしかならないんじゃないか?

 後ろから手を挙げて進み出る小柄な影。え、誰だアレ? この世のものとは思えないような美貌に未成年特有のスラッとした手足。サラサラのプラチナブロンドの髪からのぞく尖った耳が彼女がエルフの血を引く者だと証明している。彼女は不敵な笑みを浮かべ、その手にはみんなと同じく巨大な斧があり肩に担いでいる。


「どうした、ザップ。私に見惚れているのかしら?」


 その声はまごう事なきノノ。最低最悪のハイエルフだ。もしかして、もしかしてしばらく見ないと思ったらダイエットに成功してたのか? やむなく素振りは中断だ。


「待て待ていっ。お前は戦うな。俺達が衛兵に公衆猥褻でしょっぴかれちまう」


「何言ってるのかしら、ザップ。私も学習するわ。公衆の面前で『あああああーっ』丸出しにしたりはしないかしら」


 なんとか聞くに堪えない言葉は僕が『あああああーっ』口撃で潰す事に成功した。やっぱ何も学習してないじゃん。超絶美少女が口に出していい言葉では決して無い。


「朝から下品な事言うな。子供も見てるだろ」


「ごめんなさい。ザップ」


 潤んだ目で僕を見てくる、この世のものとは思えない整った顔。ついつい目を逸らしてしまう。


「わ、わかった。変な事するなよ。絶対するなよ」


「わかったかしら」


 そして、騎士とノノは対峙する。


分子分解ディスインテグレイト!」


 ノノの手から放たれた光は騎士に吸いこまれていく。やっちまいやがった。高価そうな鎧だったのに、可哀相だ。風と共に白い粉が舞い散り、全裸の騎士がそこには立っていた。

 前フリじゃないつーの。僕は急いで騎士にマントをかけてやった。


「らくしょーかしら!」


 腰に手をあててふんぞりかえる廃エルフ。


「やっちゃ駄目ってザップが言ったでしょ!」


 僕に先んじてマイがノノの頭をどついてくれた。


 うん、今後ノノは素振り出禁確定だな……




 食べ物エッセイ書きました。よろしければぜひご覧下さい。題名は、


【そば屋さんで、鰊の煮込みを食べてみた。パイルバンカー串山先生の『貴族令嬢がジャンクフード食って「美味いですわ!」するだけの話』でそば屋さんで鰊を食べてるのを読んで、食べてみたくなったのです。】


 です。下にリンク張ってますので、よろしくお願いします。ちなみにパイルバンカー先生には許可をいただいてます。




https://ncode.syosetu.com/n3479hq/




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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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