封印解除
すみません。めっちゃ寝ぼけてて、完結になってました。修正しました。
「解った。今回は手を貸してやろう」
皇帝は僕の手をがっしりと握る。
「それで、妖精王、どんだけ時間があるのか?」
皇帝はノノに問いかける。
「そうね、いつ封印が解けてもおかしくないわ。あんたが派手に弱ってるからね」
「そうか、しばらく休みたかったんだが、しょうが無いな。おい、魔法回復薬は持ってないのか?」
「あるにはあるけど、あんたの底なしのマナを回復させるようなものは貴重なのよ。報酬は高くつくわよ」
「ああ、解った」
ノノが空間から赤いメタリックな液体が入った小瓶を出して皇帝に渡す。大丈夫なのか? 毒じゃないのか?
「『究極魔法回復薬』よ」
腰に手を当ててドヤるノノを一瞥すると、皇帝は小瓶をあけてあおる。
「ウゲッ、クソまじー。おっ、来た来た来た来たっ!」
さっきまで疲労困憊だった皇帝の目に光が宿る。マジモンか。
「俺にもくれないかな?」
「あんたにはこれで充分よ」
ノノは僕に澄んだ赤色の液体をくれる。これは多分、強力魔法回復だな。なんか皇帝よりしょぼいのはいただけないが、まあ、僕は魔法職じゃないからな。クイッと薬をあおる。これは薄く甘酸っぱいんだよな。
「よし、じゃあ行くか。来たれ『ゴルドラン』」
さっきどっかに飛んでった、黄金のランスが飛んで来て皇帝の手に収まる。便利だな。僕の思いハンマーにも欲しい機能だ。
「さあ、ザップ。このランスを折れ。そしたら封印の力が弱まり、光の眷族共が現れるはずだ」
「おい、待てよ、せっかちな奴だな。少しだけ時間をくれ。あいつらを武装させる。マイ、王国騎士たちに武器と防具を配ってくれ」
「え、やーよ。あの人たちみんな、はっ裸でしょ……」
「ザップ、私に任せて下さい。不肖ジブル、その役目を責任もって引き受けます!」
喰い気味にジブルが割り込んでくる。そうだなそれが適材だ。
「ああ、頼む。あと、拡声の魔法を今頼む」
「はーい、了解」
拡声の魔法が発動したのを確認して、僕は大きく息を吸い込む。
「これから、俺達は天使と戦う。羽根が生えた残酷極まりないクソ野郎共だ。やらないとやられちまう。これから武器と防具をここに出すから使ってくれ。きついかもしれないが、王国、いや、この世界を守るために力を貸してくれ」
僕は一字一句しっかりと発音したのち口をつぐむ。仲間たちが記者が竜たちが僕を見ている。しばしの静寂のあと、宙に跳び上がる者が。
「ザップ。天プラだろうが天丼だろうが、妾がぶっとばしてやる。そのあとは勝負だっ」
リナが大音声でのたまう。地声でこの声量は凄いな。けど、ボケ方からしてお腹が減ってるのだろう。勝負は勘弁なので、あとでマイに餌付けしてもらおう。
けど、リナの言葉を皮切りに、僕の仲間たち、そして騎士たちが参戦を表明してくれる。僕は天使の戦い方の特徴をしっかりと説明する。ここでも予知が役にたった。
「いくぜ! アダマックス!」
穴を掘ってその上に寝かせた黄金のランスに不毀化したハンマーを叩きつける。
ギィーーーーーン!
乾いた音と共に真っ二つに折れるランス。ランスから光が一条天に吸いこまれ、そこから空が金色に染まり始めた。
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