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 精密な世界


「あ、忘れてたわ。『精密な世界アキュレート・ワールド』」


 のんびりとしたノノの声の後に、その体は光り輝き、危険を感じ、僕は咄嗟に光を収納にしまおうとする。間違いなくこの光は何らかの魔法効果をもってるはず。だけど、光は僕のスキルを素通りする。そうか、世界、世界魔法だ。世界魔法の力は絶対。放たれたが最後、その効果は絶対に顕現する。光は辺り一帯を包みこみ、僕の視界は白色に染められて何も見えない。


「感謝するのよ、この魔法の触媒はもう無いから、使えるのは一度限り。けど、間違いなく終焉は近いから、今回は奮発するわ。まあ、もっとも私のためでもあるから、感謝する必要はないわ」


 僕の頭に直接ノノの声が響く。


「お前は、何言ってるんだ? 意味が解らない。俺はぽっちゃりになったりしないのか?」


『時間が無いわ。ザップ、お前はこれから起こる事をしっかり心に刻みなさい。私が言えるのはここまで。下手な知識は身を滅ぼしかねないわ。足搔いて、足搔いて、大事なものを掴み取りなさい。何が起こっても心を強く持ちなさい。もう時間ね。さよなら、ザップ……』


 光がだんだん弱まっていき、目が見えるようになる。そして、ノノがいた所には誰も居ない。どこに行ったんだ?


「ザップ、何が起こったんだ? なんなの、今の激しい魔力は?」


 絨毯を操縦していたラパンが振り返る。とは言われても、僕自身何が起こったのか全く解らない。


「ノノが、ノノが魔法を使って消えた」


「え、消えた?」


 振り返ったラパンの目が赤く光る。


「魔力の残滓からして、なんかの祝福系の魔法みたいだね。けど、消えた? 訳が解らないよ。ザップ何か解らないの? 例えば魔法の名前とか」


「アキュレート・ワールドって言ってたな」


「アキュレート・ワールド? 世界の名を冠する魔法? と言うことは何かの魔法を凝縮して昇華したものだと思うけど、アキュレートって事は、正確とか精密な世界って意味だよね。何かの精度を上げたって事かな? けど、正直意味が解らない。世界の何かを変えたんだと思うけど、想像つかないな」


 ラパンが解らないなら、魔法の事なら僕にはとんと見当つかない。


「ノノは無事なのか?」


「解らない。けど、転移した訳じゃないと思うから、考えられるのは、ノノは元々存在してなかったとかかな? 例えば幻覚のようなものだったとか」


 そうは言っても、アイツ、飯をバクバク喰ってたよな。幻覚には思えない。


「てゆうか、誰も起きて来ないな?」


 僕とラパンは結構騒がしいはずなのに誰も起きない。これはおかしいんじゃ?


「あーっ、よく見ると、これ、自然の眠りじゃないよ。『魔法解除ディスペル・マジック!』」


 魔法解除? と言うことは魔法で眠らせられていた? ノノか? それしか考えられないな。


「ううん、もうついたの?」


 マイが目を擦っている。他の3人はまだ起きない。


読んでいただきありがとうございます。


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