錯乱の塔
お昼の1時間の休憩で、急いで1話書いてアップしてたのですが、そのためにめっちゃご飯早く食べてたおかげで、『逆流性食道炎』というものになってしまいました。という訳でご飯をゆっくり食べるようにしますので、蔓延防止期間中はストックがない限り、お昼のアップ出来ないと思いますので、よろしくお願いします。
「お、おい、オブッ!」
目の前には今まで通りの森が広がっている。
「ザップ、この前に強力な結界があるわ。認識阻害系の魔法でカモフラージュしてあるみたい。けど、アタシの『魔法なき世界』なら何とかなるかも。当然行くわよね?」
頭にしがみついているミネアが柄にもなくシリアスな声を出す。
「ああ、当然だ。オブが耳を塞げって言ってたよな。ミネア、準備はいいか?」
「オッケーよ」
僕はオブに慣らい耳を押さえて前に進む。
キィーーーン。
オブが消えた所辺りで急に耳鳴りがする。
「遅いな、びびったのか?」
目の前にはオブがいて、その後ろには艶やかに輝く黒い建物が見える。振り返ると分厚いガラスみたいなものがあり、その後ろにマイたちが見える。体には何も触れた感じはしなかったけど、そこを通ってきたはずだ。あれがミネアが言ってた結界なのか?
「何だ、その建物は?」
「ああね、これは『錯乱の塔』と言われている。この塔のどこかに生きていれば妖精王がいるはずだよ」
その『錯乱の塔』を眺める。でっかい円柱のような形で窓は全くなく、継ぎ目が無いつやつやした黒い物体で出来ている。例えは悪いがカブトムシやゴキブリの羽根みたいな感じだ。そして大地に接している所には大きな扉が見える。遠目にもその扉には華美な装飾が施されているのが確認できる。
「なにコレさっきは無かったのに」
マイも結界の中に入って来た。
「この塔が見えないように、結界の回りを魔法で覆っているんだ。ここに近づく者が居ないようにね。今は僕がいるから入れるけど、通常はここの魔力が弱くなる新月の時しか入れない。あと、普通はここから出るためには、下の地獄をくぐり抜けないと出る事は出来ないよ」
「うわっ、なにコレ?」
ラパンとピオンもやって来た。僕たち同様、いきなり現れた塔にビックリしている。
「なんで、こんなに厳重にここを隠しているんだ?」
「ここにある魔法、それに妖精王は本来なら外に出すべきものでは無いんだ。けど、神竜王ゴルドランも今のこの世界にとっては必要では無いと僕は思う。神竜王の力は強すぎる。それを止めるためには、禁忌に頼るしかないからね」
オブは遠い目をして語っている。けど、お前だって暴走しまくってたじゃん。今でも正直トラウマだよ。僕はその言葉を呑み込んだ。
「じゃ、さっさとその妖精王って奴に会いに行くか」
僕は塔に向かって歩き出す。不謹慎だけど、少しワクワクする。やっぱ僕は冒険者だな。未知のものや謎といったものには心惹かれてしまう。
「ザップ、その前に、少し休憩しないか? 中では休憩出来るか分かんないよ」
むぅ、気勢そがれるな……
「多数決だ。休憩したい人ーっ」
僕以外みんな手を挙げる。止む無しだな。ここら辺は開けているので、とりあえずザップハウスを出した。
読んでいただきありがとうございます。
みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。