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 飛行


「魔道都市アウフの探索隊が、迷いの森のほぼ全域を調べ尽くしているんだけど、まだ未知な部分もあるみたいなんだ。森の中央には二重の結界がある場所があってそのうちの2つ目の結界の中だけはどうなってるか調べられなかったみたいなんだ」


 森にさしかかってラパンが説明している。

 ラパンとミネアと合流しマイ達の買い物が終わった時にはもう日は傾いていた。相変わらず長すぎるだろさすがに夜に森に突入するのははばかられたので、アウフの王宮で一泊してから出発した。王宮では国王とラパンの従兄弟のアカエルと晩餐でもてなされた。ここでもオブがやたらめったら食べまくり暴走していたが、なんとか黒竜王である事は誤魔化せたとは思う。


 僕たちは今は空の上。アウフの国の所有する魔道具の魔法の絨毯じゅうたんでここまでやって来た。小さな部屋くらいの広さで立ったらくるぶしまで埋まるほどの毛足が長く、今までに体験した事が無い程フカフカだ。最高だ。オブとミネアはいつの間にか横になって寝ている。しかも間違って落ちないように結界が張ってあり、それは風も和らげ心地よく、正直気を抜くと僕も寝てしまいそうだ。


「さすが、魔道都市アウフね。こんなに素晴らしい魔道具を貸してくれるなんて」


 マイが腹ばいで足をパタパタしている。耳もピコピコで上機嫌だ。本当に助かった。森までは走って行くものとばかり思ってたからな。多分他にも様々な便利グッズを魔道都市アウフは所有してそうだから、これからも懇意にしていこう。


「マイさん、何言ってるんですか? お父様が国宝クラスのものをただで貸してくれる訳ないでしょう?」


「え、もしかして、お金取られるの?」


 横になってモフモフフカフカを堪能してた僕は身を起こす。


「まけにまけてもらって、一人頭1日大金貨1枚で、しめて1日大金貨6枚で借りられたよ」


 な、何だと! 1日大金貨6枚!? 本当にまけてるのか? 


 なんじゃそりゃ、俗に言う金持ちの1月の稼ぎぐらいじゃないか……


「僕は僕とミネアの分は払うから、後はよろしくね」


 まあ、そうだよな。よくよく考えると、こんな高価そうなもの貧乏な魔道都市がただで貸してくれる訳ないか。


「おい、オブ、お前お金もってるのか?」


 オブを揺すって叩き起こす。


「君には僕がお金をもってるように見えるのかい?」


 聞いたのが間違いだった。


「私の分は成功報酬から差し引いて」


 ピオンを見ると、ピオンは僕から目を逸らす。


「まあ、お金は痛いけど、早くて空中停止出来る魔道具ってこれしか無くてね。急がないといけないからしょうが無いよね」


 ラパンは僕を見て小首を傾げる。


「そうだな、止むなしか……」


 しばらく誰も口を開かず、絨毯は飛んでいく。マイなどかなりズーンだ。たまに『お金、お金』なんて呟いている。

読んでいただきありがとうございます。


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