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「オブ君、そういえば、この迷宮で死んだら復活するって話だったけど、それならオブ君は蘇生の魔法が使えるのかい?」


 ラパンの質問にみんなオブを見つめる。そりゃそうだ。蘇生の魔法はお伽話とかにしか出てこない幻の秘術。しかもそう言う話では、完全な蘇生ではなく、アンデッドとか化け物になってる事が多い。


「え、信じたの? お姉さん頭大丈夫? そんなの使える訳ないじゃん」


 オブが貼り付いたような営業スマイルで答える。なんかこの顔ムカつくんだよな。無性にどつきたくなる。


「え、さっきアンタ言ってたじゃん。あれって嘘だったの?」


 ミネアが噛みつく。そりゃそうだ。下手したら落とし穴で串刺しになってたもんな。


「ああね、そう言っとけばみんな安心して利用する人が増えるじゃん。それに、こんなイージーダンジョンで死ぬ人なんて居ないし、もし、死んだらパーティー毎全滅させればいいじゃん。ね、ね、これなら復活出来るかどうかなんて誰にもわからないでしょ」


 笑顔で得意そうに外道な事をさらりと言いやがる。


「やっぱ、コイツは封印してた方が世のため人のためなんじゃないか?」


「そうよ、こんな奴ここに穴掘って埋めちゃいましょ」


 ミネアはいつの間にか縄を手にしている。


「ああっ、待って、待って、まだ誰も死んでないし、復活出来るって噂は間違ってましたって告知するからさ。あ、そうだ、僕を埋めちゃったらゴルドランの事分からなくなっちゃうよ」


「いや、いいよ。あの海にいた奴に聞いてみる」


「ザップ、まだ海は寒いよ。それよりも僕に聞いた方がいいじゃない。ねっ、ね!」


「分かった。話すだけ話してみろ」


「じゃ、話が気に入ったら生き埋めはなしでおねがいしますっ」


 オブは卑屈に頭を下げる。あの誇り高かった黒竜王の分身とは思えない。


「ああ、分かった分かった」


 まあ、元々埋める気はないけどね。


「まずね、ゴルドランは太陽の光から力を貰っている。この僕が闇を吸収して力を

得ているみたいにね。とは言ってもエネルギーを補充してる訳では無く、日の光の下では鱗の強度と力が増すんだ。だからアイツと戦うのは夜じゃないと駄目だ」


 それは良いことを聞いた。これで神竜王とも戦えるのでは? 弱体化した夜にアダマックスの鱗で牽制しつつ強化したハンマーでぶん殴りまくる。


「ありがとう。十分だ。じゃそろそろ神竜王の所へ向かうか」


「待って、ザップ。僕の見た所、君の攻撃ではゴルドランに傷を付ける事は出来ると思うけど、倒すには至らないと思うよ。逆にボコボコにされて終わりだね」


「ん、じゃあ、お前にはなんか手があるのか?」


「ゴルドランの権能は自強化。シンプルだけど、元々が強いから更に強くなりすぎて正直僕の手には負えないよ」


「そうか、なら仕方ないな」


「まあ、待ちなって。君がやられるのは一向に構わないが、僕はゴルドランにひと泡吹かせたいからね。僕ら古竜の権能は絶対に近い力を持っている。けど、それを上回るものもある。『世界の名を冠する魔法』。それらの中にはゴルドランの権能を打ち破れるものもあるかもしれないよ」


「『世界魔法』は僕が知ってる範囲、要するに魔道都市の持つ全ての情報の中でも3つしか確認出来てないよ。それらは神竜王相手には役に立たないよ」


 ラパンが首を横にふる。ミネアが使うのが確か『世界魔法』。それで調べたのだろう。


「そっか、3つしか今は残ってないのか。けど、確かまだ幾つか確かにあるよ」


「そんな訳ないじゃん、アタシたちでさえ、1つしか知らないのよ」


 ミネア達妖精は魔法が得意だがそれでも1つしか知らないのか。


「妖精王、たしかそんな名前で呼ばれている奴がいてね。生きているかは分からないけど、そいつの魔導書はまだ残ってるんじゃないかなぁ? その中に多分あると思うよ『太古たいこの世界』って言う世界魔法が」


 ん、『タイコの世界』? なんか訳分からない名前だな。タイコの音でも鳴り響くのか?





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