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 和解

 誤字脱字報告ありがとうございます。とっても感謝してます。


「コレいいわぁ、最高。赤ちゃん抱っこしてるみたい」


 ミネアが小黒竜スタイルのオブ君をギューして頬ずりしまくっている。さすがに赤ちゃんは無いだろう。


「ん、そいつトカゲの親玉みたいなものだろ、鱗ついてるけど、固くないのか?」


 一通り女の子たちがオブを抱っこするのを堪能したあと、ミネアがオブを独占している。微妙にオブがミネアの胸を触ってるように見えるのは気のせいではないだろう。おっぱい好きって点では確かに赤子に近いかもしれない。


「しょうがないわね。ザップも抱っこしてみれば」


 ミネアが未練がましくオブを僕に差し出す。困ったな、僕は赤ちゃんとか抱っこした事がほとんどない。確か、片腕をまくらのようにして、もう片方の手を股の間をくぐらせるようにして下から支えるって感じだったかな。お、いい感じだ。


 何っ! 頭を衝撃が貫く! いかん、ヤバい程にすべすべフワフワだ。しかもほんのり暖かい。あ、駄目だ無意識的になでなでしてしまう。これはいかん人を駄目にするヤツだ。


 オブ君と僕は目が合う。


「何で、男に抱かれないといかんのだ? 胸は無いし、なんかゴツゴツしてるし、抱き方下手だし、もっと力抜けよ」


「す、すまん」


 つい謝り力を抜く。そうだな、僕も男に抱き締められたら、不愉快を通り越して憤死ものだ。思いやりが足りなかった。反省だ。


「それより、お前、こんなに柔らかくて大丈夫なのか?」


 こんなプルプルだと、戦いになったらイチコロだろ。


「あぁ、大丈夫だよ、集中したら固くなんだよ。海綿体と一緒だよ。僕が固かったら柔らかさを堪能出来ないだろ」


 海綿体? 事ある毎に下品な奴だな。しかもコイツ、エロい事しか頭にないんじゃね? メッチャお仕置きされた事をもう忘れてるのか? なんかなんとなく、コイツはマイには抱かせ無いようにしよう。


「ザップ、ソロソロ離せよ」


 話が進まないので僕も若干未練があるが、手放して、人間スタイルになって貰う事にした。


「オブ君、ずっと聞きたかったんだけど、この迷宮って難易度高すぎないか?」


 誰しも思っていた事をラパンが口にする。


「ああね、それはここの設備は相手の能力より少し下になるように設定してあるからだよ。けど、君たちのおかげでエネルギーがゴリゴリ減ったから今回は赤字だよ」


 ん、なんかオブの態度、僕にだけちがわね? ま、いいけど。


「そうなのね、という事はほぼほぼザップが原因でオブ君自体が、あたし達に敵意があるって訳じゃないのね」


 まあ、マイの言う通りだろう。自慢じゃないけど、僕の戦闘能力は図抜けてるからな……


「いいえ、マイさん達はともかく、僕はザップだけはぶっ殺したいですね。だって考えてみて下さいよ、僕の本体、コイツに伸しイカみたいにされて、土砂と混じった訳の分からないものに、なってるんですよ」


「ほう、先にちょっかい出してきたのは、お前だろ。俺たちを石にした事を忘れたとは言わせないぞ」


 僕はオブを睨む。オブはビクンとすると早口でまくし立て始めた。


「ザップ、話は最後まで聞けよ。お前には恨みはあるが、それよりもゴルドラン。アイツにはもっと借りがある。アイツを痛い目に合わせるまでの間はお前との事は我慢してやってもいいと思ってる」


「そうか、それなら一時休戦だな」


 僕は右手を差し出す。オブ君はそれをはたく。


「よせよ、僕は馴れ合うつもりはない。お前はゴルドランみたいだな。やっぱ、ムカつくな」


 おお、何このツンデレ。男のツンデレは百害あって一利なしだな。



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