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 子鬼

 すみません、上手く投稿できて無かったです(T_T)


「あんま、はっちゃけすぎだろ」


 僕は部屋の中の瓦礫を少しづつ収納に入れていく。宝箱の爆発は凄まじく、迷宮の一部屋をまるっと破壊し尽くしている。

 もし、これを僕が開けたらと思ったらゾクッとする。良くて重傷、運が悪かったら死んでいる。いつもだいたい宝箱を開けるのは僕の仕事だからな。良かった、ピオンを連れてきて。盗賊職のありがたさをひしひしと感じた。


「ザップ、慎重に、罠があるかもしれないし、なんか微かだけど、生き物の気配がする」


 忍者ピオンが僕の横にぴったりとくっつく。近すぎだよ、また、マイの機嫌が悪くなるだろ。僕はピオンから離れつつ、言われた通りに少しづつ慎重に瓦礫を収納に入れていく。


「ザップ、ザップ、ザップー。ねぇ、ねぇ、もう引き返さない? ここってヤバすぎない?」


 いつの間にかまた僕の髪の毛にしがみついてる妖精ミネアが口を開く。僕も少しづつそう思い始めていた。ここはミネアに従って戻った方がいいかもな。ここを進むより、地上に戻ってオブ少年を締め上げる方が難易度が低い気がする。


「ザップ、待って!」


 急にピオンが叫ぶ。なんだ? ん、よくみると、瓦礫の中から小さい手みたいなものが見える。緑色で、所々肉がこそげていたり焼け焦げている。ここにいた魔物の死骸か?


 ガララララッ!


 瓦礫がはねのけられ、そこから小さな子供みたいなものが弾け出る。

 僕は急いで飛びすさる。ピオンも下がっている。

 1、2、3人、子供のゾンビ? 2人は立ってるが1人は四つん這いだ。所々、肉がこそげて赤い身が露出していて、黒く焦げている所もある。グロテスクだな。1体は片手がなく、四つん這いの奴は足が1本無い。髪の毛の無い頭に尖った耳。至る所から血を垂れ流しながら腰を落としてこちらを睨んでいる。


「ゴブリンゾンビか?」


 僕はハンマーを出し構える。相手の急な動きに対応出来るように正眼の構えだ。


「いえ、まだ生きてるみたいよ」


 僕の横にマイが並ぶ。手にした得物はデスサイズではなく大斧だ。左手で柄の先の方を持ってコンパクトに構えている。まだ瓦礫の撤去中であまりスペースが無いからな。


「まじか、あの爆発を生きのびたのか? ゴブリンって意外にしぶといんだな」


「そんな訳ないでしょ、ゴブリンの特殊個体よ。アンタたちギッチョンギッチョンに叩きのめしてやるのよ!」


 妖精ミネアは言い残すと僕の頭の上から飛び去る。


「来たわよっ!」


 マイの声に合わせるかのように2匹のゴブリンが突進してくる。早い! マジでゴブリンなのか?


「ファイヤーボルトッ!」


 ラパンの声がして、後ろから2条の炎の矢が飛んでくる。さすがラパン魔法戦士、助かる。それは2匹のゴブリンに命中しその辺りを焦がすが、すこし動きが遅くなったくらいだ。なにっ、普通のゴブリンなら一撃なのに! 僕とマイは互いに間合いを取りつつ、それぞれ1匹づつ相手取る。横から抉るように繰り出されたゴブリンの右手にハンマーを合わせる。結構力を入れたから、打ち払えると思ったんだが、ゴブリンは右手でハンマーを押し止めた。

 なんじゃこりゃ、力強すぎだろ手負いなのに……


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