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 宝箱

 少ない時間で無茶して突っ走ってます。休みの日に修正しまくりますので、誤字脱字すみません。


「ふーっ。スライムって結構強いんだなー。こんなのと戦ってる冒険者って凄いんだなー。よかった。ボクは荷物持ちで。次は冒険者のラパンさんに戦ってもらおう」


 僕は大きく肩で息をすると、座り込む。結構緊張したから小休止だ。


「えー、何いってんだよ、ザップ。あんなの普通のスライムの訳ないじゃない。正直、僕は倒せる自身ないよ。それに、勘弁して下さい。寒いのに裸は嫌です」


 ラパンはブンブンと顔を横にふる。冗談なのに、真面目に付き合ってくれるラパンは純粋だ。まだまだ子供だもんな。ブルッとして僕は自分の格好を見る。ズボンは若干穴あきでファッショナブルになったくらいだけど、シャツとコートは致命的だ。スライムが吐いた液体で前面と顔を庇った両腕の所はもうボロボロで、ほぼ半裸だ。もし、ピオンとか女の子が食らっていたら胸が丸出しだ。やっぱりスライムはロマンだな。エリクサーもある事だし、次にもしスライムに出会ったら、女の子に戦って貰いたい所だけど、多分僕が戦う事になるんだろうな。

 けど、不謹慎だけど、少しワクワクする。やっぱり全力で戦えるのはいいものだ。


「ザップ、冗談はそれくらいにして、寒いから風邪ひくわよ」


 マイが収納から、僕のミノタウロスの腰巻きを出して優しくかけてくれる。優しい行動だけど、これって要は、これからも戦ってねって事だよな。まあ、みんなを危険な目に遭わせるつもりは無いから、前衛で体張る予定だけどね。


「ザップ、見て、宝箱が出てきた」


 部屋の隅にいつの間にか小さな箱がある。さっきまで無かったのに。ドロップ品か?


「たっからばこー♪ たっからばこー♪」


 僕が投げ捨てたはずの妖精ミネアが飛んでいく。なんか文句の1つ2つ言われるかと思ってたけど宝箱を前に相変わらず現金な奴だ。


「待てっ、ミネア、罠を調べる」


 ピオンが激しく静止する。


「はーい」


 落とし穴に落ちたせいか、珍しくミネアは大人しく言う事を聞く。


 ピオンは小箱に近づくと、四つん這いになって近くでジロジロ見たり、匂いを嗅いだりしている。なんか、骨を見つけた犬みたいだな。ピョコピョコしているお尻につい目が釘付けになってしまう。


「ザップ、なにをジロジロ見ているの」


 マイ様の冷たい声が……


「何って、ほら宝箱、宝箱に決まってるだろ」


「マイ、ザップの視線の先はピオンのお尻よ、お尻。こっちからならよく分かるわ。けだもののような目で見てるわよ!」


 ミネア、何をある事ない事、くっ、さっき投げ捨てたお返しか!


「ザップー。もうっ」


「いてててててっ」


 脇腹に激痛が。マイは僕の脇腹をつねるとプーッと膨れる。


「ザップ、私のお尻見てたのか? なんなら脱ごうか?」


 ピオンが、戻ってきて不穏な事言いやがる。ピオンが不穏、どうでもいいけど、いい韻踏んでるな。


「頼む、悪かった。もう止めてくれ。それより、箱はどうなったんだよ」


「私には無理。多分爆発。中身はたいしたものじゃない。メリットよりリスクの方が高い。置いてったが無難」


 ピオンは首を横にふる。


「えー、勿体ないじゃない。せっかくザップがスライム倒したのに。なら僕の収納に入れとくね」


 ラパンは箱に駆け寄り収納に入れる。ラパンの国、借金苦だもんな。勿体ない精神が強いな一応お姫様なのに。





 ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーン!


 ゴゴゴゴッ! バキッ! 


 ゴロゴロゴロゴローーーーーーッッ…………


 音が収まり、部屋の入り口を見るとものの見事に崩落して埋まっている。通路を通り次の部屋でピオンが魔物の気配を察知して、「ちょっと試してみるね」ってラパンがさっきの宝箱を部屋に投げ込んだ結果がこれだ。良かった、宝箱開けないで。


 しばらく僕たちは言葉を失った。デスゲームかよ……


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