スキルガチャ
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「あんたたち、私をのけ者にして、何してるのよ」
肉と野菜を焼き始めたときに、ちょうど、導師ジブルがやって来た。何か忘れてると思ったらコイツを忘れていた。
「お前、どこ行ってたんだよ」
「もう一つの階段の下に行ってたのよ。誰も居ないと思ったらこっちだったのね。なんか一言言って行ってよ」
「お前、寝てたじゃん。それにスマホあるだろ」
「あ、最近全く使わないから忘れてた」
ジブル、不憫なヤツだ。誰からもスマホかかってこないんだな。ボッチだボッチ。
「ザップ、この小っちゃくて小煩いのは何なの?」
アダがジブルをジロジロ見ている。
「うわ、ザップ、きもっ。また、女拾ってきたの?」
ジブルもアダをジロジロ見る。
「人聞きの悪い事言うな。こいつが古竜アダマックス様だ」
「ひぃーっ。これが古竜アダマックス? 象が踏んでも壊れないだけが取り柄の?」
「ザップ、コイツいてこましてもいいわよね!」
アダが目を細める。
「お前ら、仲良くしろ。とりあえず食え」
僕は焼けた肉と箸を乗せた皿を2人に差し出す。マイがいい仕事してくれた。阿吽の呼吸だ。
「「いただきます!」」
2人はハモると肉を食う。コイツら頭の中同レベルだな。
「うわ、うまっ、私の尻尾っ!」
アダが目を見開く。その尻尾って言うのは止めてほしいな。
「え、これってアダマックスさんの尻尾なんですか。マジ美味しいですね。尻尾おかかわりっ」
ジブルのメンタルは化け物並みだな。尻尾全く気にならんのか?
「うわっ、来た来たっ! マイさん、鑑定鑑定!」
ジブルはマイに駆け寄り袖を引っ張ってせがんでいる。
「え、なになに、古竜権能『アダマックス』、時が止まったものは何者も壊す事あたわず?」
マイの目が見開かれる。
「え、もしかして、私の食べた魔物をコピーする能力のおかげ? 古竜権能ゲットしたの?」
ジブルは大喜びだ。力を持たせてはいけない者にさらなる力が……
そして、僕たちはバーベキュー大会を楽しんだ。新しいドラゴン肉を食べた事で手に入れた新しいスキルは、僕は安定の剛力、マイは毒耐性、アンは防御力アップだった。
「ザップ、貴方のハンマー出してみて」
「ああ」
アダに言われるままハンマーを出す。
「私たち古竜の核は竜神器という神々が作った武器で出来ているの。貴方のハンマーは、アイローンボー、オブシワン、二体の古竜の血を浴びた事で、かなり強いものになってるわ。私の力が加われば、さらなる進化を遂げると思う。神器に近しいものになるかもしれないわ」
アダは僕からハンマーを受け取りその柄を握る。その手からあたたかい光が現れ、僕のハンマーに吸いこまれていく。アダはハンマーを軽く投げる。放物線を描くそれは光り輝くと、膨れ上がった。
そして膨れ上がったそれは人型になり、大地に足をつける。
「ザップ・ハンマー降臨!」
ハンマーから生まれた暑苦しいマッチョマンがポージングしながら口を開いた。