決闘
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「ザップ・グッドフェローオオオオオーッ!」
皇帝が叫びながら裸の男たちをかき分けながら走ってくる。めっちゃ腐女子うけしそうな絵ずらだ。現に隣でジブルから『ジュルリ』と音がしたような。
一端、ポータルを消し去る。これからなんか気の利いた事を言ってくれると思うが、流石に裸の男と会話するのは嫌だ。
「よくも、戦いを台無しにしてくれたな。これだけの準備するのに如何ほどの時間と費用を費やしたのか……」
「そんなのいいから、要点を話せ」
正直面倒くさくなってきた。そろそろお腹も減ってきた。
「ザップ・グッドフェロー、貴様をここで打ち倒す!」
皇帝はそう言うと、腰を落としランスを構える。そうか、やる気なのか。
僕はポータルを皇帝に向かって放つ。一瞬のうちに、奴は全裸になるが、ランスは消えない。何故?
「ハッハー、驚いているみたいだな。このようランスは神器。全ての魔法やスキルの干渉をうけない」
裸でランスを構えてドヤっている。かなりたちの悪い変態にしかみえないな。
「ザップ、ときに何故俺が金色の鎧を纏ってるのか解るか?」
「そんなの知るか」
「俺の鎧は純金製だ」
え、まじか、いただいて良かった。さらに儲かる。
「だから返せ。人のものを奪うなんて野盗と一緒だぞ」
何都合の良いこと言ってやがる。
「嫌だね。これは戦争だろ。俺は降伏勧告したのに襲いかかってきたのはそっちだ」
「まあいいだろう。ザップ、俺はそれを着て生活を続けていた。それが無くなったって事は」
シュッ!
風を切る音がする。
皇帝の姿がぶれたと思った瞬間にその姿は僕のすぐ前に。突き出されたランスを紙一重かわす。ベタだな。重いものを装備しててそれが無くなったら動きが早くなるなんて定番すぎる。
「ザップ、何とかかわしたみたいだな。次はかわせるかな? うおっ!」
皇帝はどんくさくたたらを踏みながら、僕に突進してヒョロヒョロな突きを繰り出す。
「返してやったぞ」
皇帝は再び黄金の鎧を纏っている。
「なんて卑怯な。今すぐ鎧を取れ!」
「え、いいのか?」
「ま、待てっ!」
皇帝また全裸。
「嘘だっ。それは由緒正しき家宝。返してくれっ」
「うるせー奴だな」
「チッ、力尽くで奪ってやる!」
皇帝は加速し襲いかかってくるが、望み通り鎧を返してやる。ヘロヘロな突きを余裕をもってかわす。
「うう、小癪な!」
また鎧を奪う返す奪う返すを繰り広げる。もう飽きてきたな。
「ゼイッ、ゼイッ。ザップ、正々堂々戦いやがれ」
皇帝は裸で息を切らしている。気持ち悪いな。
「悪いが俺は騎士じゃない。このスキルも合わせて、ザップ・グッドフェローだ。だがもう飽きた。鎧は貰ってやる。全力でかかってこい!」
「望む所だ!」
皇帝は再びランスを構え、僕たちは対峙する。