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「よく見ろ。これが帝国皇帝の証、ドラゴンランスだ!」


 皇帝は手にしている。ランスを掲げる。黄金色のランスには、ジブルが刺さったままだ。けど、僕はもう気付いている。一滴も血が流れていないのだ。


『な、何故、生きてるの?』


 ジブルの声が風に流れてくる。


「お前こそ、何故生きている?」


 皇帝は槍を振るう。刺さってたジブルは吹っ飛ばされる。


『私は、不死の女王。これしきでは、いささかの痛痒も感じませんわ』


 カラカラ音をたてながら、壁に叩きつけられたジブルが立ち上がる。その顔には肉は無く、まるっとしたしゃれこうべになっている。ジブル必殺のスケルトン化だ。なんか大見得切ってるが、変身したジブルは全くの役立たずだ。

 ジブルと皇帝が睨み合う。いかん、2人とも戦う気まんまんだな。人の家で辞めてほしい。


「ザップ・グッドフェロー、これが答えか? お前達は帝国を敵にまわす。それでいいんだな?」


 皇帝がギラギラした目で僕を見る。


「まて、そいつが暴走しただけだ。まずは、座って話し合わないか?」


「毒を盛ったくせに、何を言いやがる」


「そうか」


 僕は軽く頷くと、手を伸ばし皇帝のコーヒーカップを手にする。そして、残ったコーヒーをぐいっと一気に飲み干す。喉がカーッと熱くなる。僕は昔忍者に毒を盛られつづけたお陰で、ほぼ完全な毒耐性を身に付けている。僕にとって毒とは、刺激的な調味料にすぎない。確かに無味無臭ではあるが、なんかビリビリしてて美味しくない。味的には10点満点の、6点くらいだな。


「これで、おあいこだな。取り敢えず座れ」


「ああ……」


 皇帝の手にしていたランスは消え失せ、彼は釈然としない顔でゆっくりと座る。


「ジブルが毒を盛った事は謝る。けど、何も無かったじゃないか? 俺も毒を飲んだけど、何も無かった。という事でいままでの事は何も無かったって事でいいな?」


「まあ、そういう事にしててやるか」


 なんか訳の解らない論理ではあるが、それでいいみたいだ。こんな奴が皇帝で帝国は大丈夫なのか?


「そういえば、お前、体大丈夫なのか?」


 さっきは盛大に死にかけてたので、一応確認する。いきなり死なれたら困るからな。


「ああ、安心しろ、俺は幼い頃からあらゆる毒を盛られて耐えきって来た。始めての毒だったから、結構効いたがもう大丈夫だ」


 むー、皇帝って大変なんだな。何度も暗殺されかけてきたって事か。


「それで、お前はここに何しに来たんだ」


「シンプルだ。ザップ・グッドフェロー。帝国につけ」


 皇帝は、ギラギラした目で、僕に笑いかけてきた。


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