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 格闘家と装飾品


「私たち格闘家は、実生活でも戦闘でも装飾品は好みません。今日はその訳を実践します」


 今日は久しぶりのデル先生の格闘技講座。メンバーは、僕、マイ、ドラゴン娘アン、マッスル黒いエルフのレリーフ、エロ子供族ホップのパムだ。

 最近は不定期で、暖かくてかつみんなが仕事が無い日に開催されているので、どうしても回数が減っている。

 今日はとっても晴れて暖かい。寒いとアンとパムが欠席するので、なんか人数少ないと寂しいのでこうなった。何度か屋内を借りてやってはみたのだが、このメンバーだと基本的に建物をぶっ壊すので、経済的な理由で開催地は安定の広野だ。

 今日はみんなは道着なのだが、僕は私服だ。しかも、デルの要望で、安いネックレスや腕輪などをジャラジャラしている。


「それでは、ザップさん、お願いします。まずはストレートで」


「ああ」


 んー、いつもなぜかも僕が実験台だ。まあ、身長や体格の問題もあるからだと思うが、なんか釈然としない。


 僕はデルに向かって腕輪をした手で右ストレートを放つ。デルはそれをかわすと、僕の手を取る。振りほどこうとするが、デルは腕輪に手を引っ掛けているので、上手くいかず、そのまま引きずり倒されて脇固めに持っていかれる。


「このように、腕輪や、腕時計などをしていたら、それに手を引っ掛けられて、簡単に色んな技に持ち込めます」


 僕の背中から、デルの声がする。捻られた僕の右手になんか柔らかいものが当たっているような? 痺れるような痛みをこらえながら右手に集中する。体勢的に見て確認は出来ないが、間違いない。脇固め最高だ! もしかして、今日はご褒美の日なのか?


「ググッ!」


 つい僕の口から変な声が漏れる。腕が解放されたかと思った瞬間、喉に痛みが! 首に付けてたネックレスが強い力で引っ張られる。瞬時に指を入れようとするが、なんとか指の先を入れる事しか出来なかった。


「チョーキング・キャメルクラッチです!」


 デルの良く通る声が背中から、聞こえる。どうも背中に馬乗りされてるみたいで、背中には柔らかい感触があるが、それどころではない。首が絞まるのでエビぞりになるしかないが、そしたら、背中がめっちゃ痛い。首がしまっているので、力が出なく、ネックレスを引きちぎる事も出来ない。どうにか抜け出してやる! みんなが僕を見つめている。今僕はかなり情けない格好なのでは? 腹ばいでデルに馬乗りされてるエビぞりな僕の状態を想像し、心が折れそうになる。


「ぎ、ギブアップ」


 僕はなんとか声を絞り出す。これは耐えられない。技というよりも、晒し者にされるのに。


 デルは僕を解放して立ち上がる。


「このように、実生活において、装飾品というものはとっても危険なものです。ですから戦闘になる前に外してしまうことで、その危険を少しでも減らす事ができます」


 装飾品より、危険なのはお前の方だよ!


 その言葉を呑み込む。正直これ以上痛めつけられるのは勘弁してほしい。


 

読んでいただきありがとうございます。


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