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 荷物持ち収納整理をする(前)

 

 ブクマ&評価&誤字報告ありがとうございます!


「それでは今から収納の中のお片付けをしようと思います」


 パチ、パチ、パチ、パチッ!


 マイの言葉にドラゴンの化身アンと、見た目幼女実はアラサー(多分)の導師ジブルが拍手する。なんの茶番だこりゃ?

 僕たちは今、街を出て開けた所にいる。今日は暖かいのでドラゴン娘もついてきている。


「それではザップ、収納の中の食べ物以外のモノを出してください。あ、魔法系や『剣の王』と『槍王』用の武器と『メテオストライクもどき』は出さなくていいよ」


 むぅ、それくらいは解ってる。さすがにここでカタストロフィを起こす程、お馬鹿じゃない。それに自家製『メテオストライク』を『メテオストライクもどき』と呼ばれるのは悲しいものがある。アレの仕込みは大変なのに。

 とりあえず出してみる。なんのモノか解らない角や、錆びた武器や鎧、色んな魔物の死骸、どっかの家の扉、ただの岩や石、はたやどう見ても馬糞のようなものや、使ったあとの食器、なんか溶けた餅みたいなものとか、明らかに記憶に無いゴミ的なものまである。


「誰か、ザップの収納をゴミ箱代わりに使ってる人ががいるわね……あ、その食器、私だわ。つい後回しにしちゃうのよね」


 ジブルがウィンクして片手で僕を拝む。コイツ自分を可愛いって勘違いしてやがるな。そうか、ゴミの大半はコイツが生み出したものか。


「すみません、ご主人様、その餅は私です。またトライしたら絶命しかけまして……」


「それ、食べるなよ、捨てとけよ。アンは餅禁止。お前が死んでも悲しむ奴はいるんだ。と言うわけで終了だ」


 コイツはドラゴンだ。気を抜いたら、何でも口にしやがる。口から出したモノや、落としたモノは食べないようにしっかり躾けておかないと、人前で僕が恥をかく事になる。


「ううっ、ありがとうございます」


 アンは目を手で覆い泣いたフリをする。ん、僕は何かありがたい事言ったか?


「ザップ、ここにあるものは全部要らないモノって事で処分するわよ」


「ああ、解った。ん、なんだコレ。ちっちゃくて、こ汚いな。ヤギの角か?」


 多分ミノタウロスの角だと思われる物の中にあった小さな薄汚れた角を拾う。


「ああーっ! それ、前に折れた私の角ですぅ。ご主人様、今、何ておっしゃいました!」


「いやー、綺麗で品のある角だなって」


 アンのいつにない剣幕におされて、つい心にも無い事を口にする。どうも、ドラゴンにとって角は特別なものらしい。動物の群れで角がデカい奴がボスとかいうそう言う感じなのか?


「いーえ、確かに汚いとおっしゃいました。さすがにこれは許せませんね。ご主人様、いえ、ザップ。お仕置きしてやります!」


 アンはビシッと僕を指差す。なんか珍しく自信満々だな。


「確かにお前の大事な角を汚いと言ったのは悪かった。けど、そうかお仕置きされたいのか、それならしょうが無いな。かかってこい!」


 アンは、凶悪な形相で、僕に顔を近づけると凄まじいガンを放ってくる。


 斯くして、久々にドラゴン娘と雌雄を決する事となった。

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