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 姫と筋肉 ラビリンス (3)


 ブクマ&評価&誤字報告ありがとうございます!

 ううっ、休みが無いです。くたくたです。また少しづつです。すみません。


「見た目はアレだが結構いけるぞ」


 レリーフは美味そうにガツガツ無気味な金色の食べ物を口にする。こういう男の人がかっ込むように食事するのは、なんか心地よい。食べるスピードが早いと、その食事は美味しそうに見える。

 僕も少し興味が湧いて、テーブルにつく。毒では無さそうだし、お腹空いてきた事だし、食べてみよっか。

 金色のパンみたいなものを千切って口に運ぶ。うん、悪くない。パンだ。しかも、食べるとお酒が入ったお菓子とかを食べた時のように、なんかお腹の所が暖かくなる。次はスープを口にする。それは温かくなんか粒っぽい物が入っている。豆みたいだ。やっぱこれにも豆が入っているのか。どれだけ筋肉つけようとしてるんだ。スープは温かく優しい味だ。


「ふうっ……」


 暖かくて落ち着く。素朴だけど、美味しい。作った?のは、アンデッドだけど。


 ん、なんかおかしい。微妙にレリーフの体が光っているような? よく見ると、剥き出したぶっとい腕がメタリックに輝いているような。汗かいてるのか? それともどっかの力士みたいに油でも塗ってるのか?


「レリーフ、なんか光ってないか?」


 僕は尋ねてスープを口に含む。


「ああ、魔力で出来てる飯だから、食べると魔力が溢れ出す」


「ふーん、凄いな」


 更にレリーフは光り輝く。ん、なんか、メタリックを通り越して、皮膚が全て金色になってきたような?


「レリーフ、お前気持ち悪いな。全身に金粉塗ったくったようになってるぞ、体、大丈夫か?」


「ああ、大丈夫だ。言わなかったか? この飯を食べると、魔力が溢れ出し、全身が金色に染まるんだ。素晴らしいだろう。あ、お前も光り始めたぞ」


 ぶぶっ!


 思わず、口にしたものを吹き出してしまう。


「聞いとらんわ! ボケェ! そないなキモいもの食わすんなや」


 いかん、脳みそはちきれそうだ。ということは、もしかして……


 金色の肌で白い歯を光らせているレリーフを見て、僕の背筋に寒気がはしる。


 もしかして、このままだと僕もまっ金々になってしまうのでは? 僕の頭にまっ金々で赤い目で白い歯を出して笑ってる僕の姿が思い浮かぶ。駄目だ金メッキの安っぽい銅像にしか見えない。こんな銅像を飾られようものなら晒し者でしかない。それにこれからなっちまう。何の罰ゲームだろうか? 新手の呪いなのか? しかも僕は女の子だっつーの。体張って笑いを取りにいってる訳じゃない。僕はヒロイン枠だと思ってたけど、もしかしてお笑い枠なのか?


「元がいいから、なかなか似合ってるぞ」


 呑気にレリーフが飯食べながら声をかけてくる。人の気も知らないで。いかん、殺意が溢れだす。


「一遍死にやがれ!」


 僕の黄金の右ストレートが、レリーフの顔にささる。これは手を出してもいい案件だろう。コイツには乙女心とデリカシーを体に叩き込まないと!


「おおっ、黄金の黄金ストレートかっ!」


 吹っ飛びながら、レリーフがなんか言ってる。あ、体が金色だから、黄金の黄金ストレートなのか。なんか変な所でレリーフと心がシンクロするのがやだ。


「レリーフ、お前に常識を叩き込んでやる!」


「何を憤ってるのかは知らんが、しょうがない相手してやる。その前に金色で光り輝きながら常識を語るとは片腹痛いわ」


「くっ!」


 痛い所をついてくる。けど、光ってるのはアイツのせいだ。


「問答無用! ぶっ殺す!」


「ほう、人を殺すと言っていいのは、殺される覚悟のある者だけだぞ」


 言う事、言う事になんか少しの正論が含まれてる。口では負けてるような? 


「じゃあ、痛い目見せてやるっ!」


 言い直して、僕はレリーフに跳びかかった。

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