導師の魔法
すみません、しばらく忙しすぎて、文章がめっちゃ短くなるかもしれないので、よろしくお願いします。
「耐氷雪防御!」
甲高い幼女導師の声が響き、床に僕たちを中心とした金色の魔方陣が浮かび上がり、回りに光るドームのようなものが現れる。少し寒さが和らいだ気がする。さすが導師の防御魔法だ。
「これで少しはもつわ、暖房の出力を上げるわよ、遠方から来たれ『風精霊召喚』」
ジブルの声に応じて、空中に現れた立体型魔方陣、螺旋を描く文字で出来た球体の中央に透き通った小さな羽の生えた少女が現れる。
精霊召喚、初めて見た。魔道の奥義の内の1つだ。多大な魔力を消費し、異界からこの世の理を司る精霊を呼び出すものだ。精霊は様々な能力を持ち、その力は厄介極まりないと聞いた事がある。
「シルフ、暖房の出力を上げるのよ! 急いで!」
導師ジブルの鬼気迫る表情におされて、シルフと呼ばれた風の精霊は少し怯えると暖房の魔道具に一目散に向かう。そして、暖房のつまみを回して出力を最大にすると、白銀色の粉を残して虚空へと消え去った。
今日は僕たちは余りにも寒く、みんなで炬燵でゴロゴロしている。マイとドラゴン娘アンはうたたねなうだ。2人とも寝顔は天使だ。特にドラゴン娘は起きてる時とのギャップが激しい。
今は昼なのに全く太陽は見えず、雪がちらほら降り続けてるので、多分外は氷点下だ。少し冒険して外を少し見たら、何もかもがキラキラしている。霜降ってやがる。
そして、寒さが更に酷くなり、導師ジブルが炬燵の中から強力な魔法を放ちまくっている。さすがに炬燵から出ないために精霊召喚するのはどうかなと思うが。僕が精霊だったら激怒するぞ。けど、僕も炬燵から出たくないので、突っ込まない。
「いいなぁ、俺も魔法が使えたらな……」
「しょうがないじゃない、ザップの魔法領域は収納スキルで占められてるから。無理よ、無理無理っ」
「くっ!」
なんか腹立つ。けど、コイツの魔法が寒さを和らげているのは事実なので。なにも言い返せない。気分を損なったら、僕だけ魔法の圏外とかにされそうだ。
それからも、導師ジブルはただ炬燵から出ないためと、僕に見せびらかすために魔道の奥義を放ちつづけた。子供かよ……