表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

629/2104

 自重無し (終)


 加減を廃した一撃を放つ。大上段に振り上げたハンマーを振り下ろす。けど、狙いは大剣。こんなに素晴らしい奴を殺すのはもったいない。


 ガキーーーン!


 重い音と共に、王の大剣はへし折れる。王は力なく片膝をつく。


「マサカ、ニンゲンニ、ツカウコトニナルトワ……」


 王の体が爆ぜるかのように膨張していく。辺りのリザードマン達は蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。僕は距離をとり、王を眺める。攻撃しようかと思ったが、なんかしてくれるようなので、せっかくなので待つ事にした。


「グオオオオオオオーン!」


 目の前には、ドラゴンが現れた。うちのアンと比べたらかなり小振りだ。リザードマンの王だったものは、天に向け叫ぶ。いい感じに威圧効果のある奴だ。聞いたリザードマン達がバタバタと倒れていく。こいつは負けられないな。


「うおおおおおおーーーーっ!」


 僕は黒いハンマー、『瘴気の金槌』を収納から出して吼える。その力を最大限に解放し、僕の体から黒い靄、瘴気が止めどなく溢れる。今回は自重無しだ。辺り一面が瘴気に覆われ、リザードマン達がバタバタと倒れていく。多分僕が気絶させた数の方が多い。勝ったな。


 けど、素晴らしい。王はまだ戦ってくれるのか。しかもこんな隠し球をもってたのか。


「ゴオオオオオオオーッ!」


 ドラゴンは口を開け、その中に炎が渦巻く。おっ、さらに炎をプレゼントしてくれるのか。なんて有難いんだ。

 ドラゴンの口から爆炎が僕に放たれる。有難く余すことなく収納にいただく。今度のバーベキューで活用させてもらおう。けど、やはりアンに比べたらしょぼいな。


 今度は僕のターンだ。


「うおおおおおおーーーーっ!」


 僕はハンマーを手に駆け出す。そして跳び上がり渾身の一撃を放つ。


 ドゴムッ!


 ハンマーはドラゴンの頭にのめり込む。いかん、テンション上がりすぎてやり過ぎた。ドラゴンの体は急速に萎んでいく。急いでエリクサーをかける。間に合ったか?    死んでないよな? なんかデジャヴだな。


「コロセ……」


 良かった。生きてる。王は横臥したまま首だけをこちらに向ける。


「殺すか、ばーか。もっと鍛えて出直してこい」


 僕は王に背を向ける。


「王ハ、ヤブレタ。アタラシイ王ハ、『ザップ』ダーッ!」


 後ろから声がする。


「えっ?」


 王は何言ってるんだ?


「ザップ!」


「ザップ!」


「「「ザップ! ザップ! ザップ」」」


 リザードマンのシュプレヒコールが辺りを揺るがす。


 かくして、偵察のはずが、リザードマンの王国を制圧してしまった。ギルドの報酬貰えるのかな? お金ほしいのに?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 下から集英社のオフィシャルサイトに移動できます。よろしくお願いします。
最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ