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 荷物持ちの妹来る(4)


「私の名前はアイローンボー。ザップ様に仕えています」


 アンちゃんが自己紹介して、ザップ妹に頭を下げる。


「仕えているって言っても何もしてないだろ」


 ザップは普段はあまり喋らないのに、ツッコむ所だけはしっかり押さえてくる。


「それは、やむを得ない事情で炬燵こたつから動けないだけで……」


「やむを得ない事情って寒いだけだろ」


「まあ、それは置いといてですね、私はドラゴン。古竜の末席に名を連ねる者です。名前の意味は『鋼鉄の弓』、どんな事が有っても曲がらない鋼の心と、投擲で狙った者は決して外さない権能の守護者です」


「ん、曲がらない鋼の心? お前のどこにそれがあるのか?」


「……暖かくなるまで、決して炬燵を出ない……」


 確かに、アンちゃんは鋼の意思で炬燵から出ない。けど、そんなしょうも無い事に根性見せないでほしいものではある。


「にいちゃん、この娘、大丈夫?」


 ザップ妹が痛いものを見るような目でアンちゃんを見ている。半分正解だと思う。


「自分がドラゴンってどこの中二? しかも痛名いたなまで自分につけてかなり重症じゃない?」


「ティタ様、私はまごう事無きドラゴンですよ」


「はいはい、クラスにもまだいるのよね、自分は竜の血を引くとか言って、痛い2つ名を自分につけて格好いいと思ってる奴」


「ですから、私は本物ですって」


 ティタは微笑み、生暖かい目でアンちゃんを見て口を開いた。


「わかったわ、あなたは十分本物のドラゴンよ。けどね、外ではあんまりその事を漏らしちゃダメよ。私たちの秘密にしましょう」


「はい、ティタ様、そうします………」


 いつの間にかアンちゃんは重度の厨二病少女にされて、しかも丸め込まれている。なんか思い込みが激しい娘だわ。なんか昔のあたしを見てるみたい。


 これはアンちゃんが本物のドラゴンって知った時には面白いものが見れそうだわ。


「私の名前はジブル・マッケンロー。魔道都市アースウィンドファイヤー、通称アウフの都市評議会の評議員にして、魔道学院の導師の資格をもち、今は魔道学院で教鞭を取ってます」


 次はジブルが自己紹介した。けど、なんでこんなに会議のような堅苦しい肩書きまで言ってるのだろうか? それに苗字を始めて聞いたような。


「ティタちゃん、ザップはどう思ってるか知らないけど、私は結婚を前提にしてお付き合いしているつもりです。無理矢理ここに連れてこられて、強制的に一緒に暮らさせられているし。ですから、私の事はお姉ちゃんって呼んでいいわよ」


「おいおい、何が結婚を前提だよ」


 ザップが即座にツッコむ。当然だわ。まだ、ジブルはザップを狙っていたのか?


「にいちゃんって、もしかしてロリコン?少女や幼女が好きなの?」


 ティタがストレートに突っ込んだ。正直、あたしもそこは気になる。なんかあたしたちの回りって無駄にロリロリしてる気がする。あと、ラパンやシャリーのロリメイド、ピオンとパイのロリ忍者も控えているし。


「…………」


 ザップは鳩が豆鉄砲食らったようなと言う表現に似つかわしい顔をしている。口、半開きだ。めっちゃショックだったのかな?


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