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 寿司食いねぇ(終)


 気が付くと『㊗600話』でした。読んで頂いた皆様。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。


「へい、おまちっ」


 ピオンが寿司を握る。次はイカの足が乗ったイカゲソというもの、コリコリして旨い。次はツブ貝という貝。これもコリコリして旨い。熱燗にとても合う。


「忍者は基本的に寿司を握れる。寿司を握れない忍者は忍者じゃない」


 僕の何で寿司を作れるかの質問に対してのピオンの言葉だ。忍者って凄いな。


「トロ3種でゴザル!」


 赤い魚が乗った寿司がでてくる。トロって言うのはでっかいマグロという魚だそうだ。トロと言われた赤身の魚。うん、これは美味しい。 

 そして中トロというやつは口の中で甘くとろける。美味い。美味すぎる。とろけるからトロって言うのかな?そして大トロ、これはやばい口の中でご飯と一緒にとろけて旨味と甘みが口の中に広がる。ああ、なんて美味いんだ。僕達は幸せにつつまれる。


「それではここで、みんなで寿司を握ってみましょう」


 ピオンに促されて、僕達は寿司の体験学習をする事に。カウンターの中に入り込む。


「私のように、握るのは、長い修練が必要。今日は誰にでも作れる方法を教える」


 そう言うと、ピオンは手に水をつけてパンパンすると、右手にご飯をつかむ。


「寿司のご飯はシャリとよぶ。シャリを取ってまずは丸める」


 ピオンの右手の中で、ご飯、シャリは綺麗な丸形になる。


「ここで気をつけるのは力を入れない事。表面だけ固める。つぎは俵型にする」


 ピオンはシャリを両手の人差し指と親指の間に挟んで動かし、俵型のシャリが出来上がる。


「寿司の握りは型押し。さっきも言ったけど、表面だけ固めてふんわりとさせる。けど、お前達は素人、どうしても握りすぎて固くなる」


「握りすぎて固くなる?」


 ジブルが言葉を拾う。またいかがわしい所だけを……


「ここで裏技だ。シャリの中央に親指を差し込んで穴を作る。その穴の上にワサビとネタを乗っけると誰が作っても口の中でシャリがとろける寿司になる。ちなみにネタとは寿司の上にのっける具材だ」


 僕もシャリを握ってみる。丸めたところでつい食べてしまう。ん、全く違う。モチモチしていてとろけない。ピオンに言われた通りにシャリに穴を空けてその上にワサビとネタを乗せて食べてみる。うん、若干マシになってる。柔らかい。けど、自分で作ったものはなんか美味しく感じてしまう。僕達はしばらく自分で作った寿司を堪能する。ちなみにモフちゃんは手の構造上握れなかったので見学してた。マイが握ってあげてる。モフちゃんの人間スタイルが見られるかもと思ったけど、変身はしなかった。


「これで、いつでも寿司を握れるな。ちなみにシャリはご飯に寿司酢を混ぜたものだ。寿司酢は酢と砂糖と塩で簡単に作れる割合は4:2:1位だ。あとは自分の好みだな」


 ピオンはいつになく喋る。それだけ寿司が好きって事だな。合間合間で自分のを握って食べている。


「マグロが寿司の王なら、これが王子とお姫様だ」


 再び席についた僕達の前に、シャリを黒い海苔という海藻で作ったもので巻いて船みたいなものにした上に、赤い小さな目玉みたいなプチプチがのったものと、すこし黒みがかった黄色い謎物体が乗ったものが現れる。


「醤油は、ガリを浸して、ネタの上つけて食べるのがマナーだが、大惨事になりそうだから醤油さしを使え。赤いのがイクラ、黄色いのがウニだ」


 ピオンが差し出した小さなポットみたいなのを受け取る。寿司の上で傾けると、少量の醤油が出てくる。僕らはそれを回し醤油をかけて寿司に手を伸ばす。

 まずはイクラから。口の中に入れて噛み締めると磯の香りが広がる。プチプチとした食感。今までで初めての感覚だ。うん、美味い。つい、目を閉じて何度も頷く。

 つぎはウニだ。甘い。なんていうか上品な甘さだ。シャリと一緒に口の中でとろける。見た目に反してかなり美味い。


「ありがとう。美味しかった。初めての味だった」


 ピオンから出されたお茶を飲みながら余韻に浸る。


「今日はありがとう。また、寿司握ってもらえるかな?」


 マイは熱燗をくいっと飲む。羨ましいけど、僕は一杯で我慢だ。


「いいぞ。私もこんなに新鮮なものを握れて良かった。王侯貴族でもこんなに揃えられないと思う。まだ食べたいものがあったら言ってくれ。どんどん握るぞ」


 ピオンはキラキラした目で袖をまくる。本当に寿司握るの好きなんだな。


「お寿司とっても美味しいけど、強いて言えばお肉も欲しいですね」  


 ドラゴンには少し淡泊すぎたようだ。


「そう言えば、魔道都市のレストランで肉寿司って言うのを出してたわね」


 ジブルはお腹をぽんぽんしている。幼い仕種が見た目だけじゃなく、本物の幼女っぽいな。


 そして、その後、僕とマイはあと少し、アンはばかみたいな数をピオンに握って貰った。僕の好物の中に寿司が入った。



 読んでいただきありがとうございます。 

 やっと本題に行き着きました。お寿司って美味しいですけど、本当に美味しいお寿司ってめっちゃ高額ですよね。

 それで、ご自宅で美味しいお寿司が握るお手伝いができればと思っての今回の話です。シャリのネタとの間に親指を入れて空洞を作るというのは、結構いい感じになりますので、ぜひ試してみて下さい。


 という訳で、よろしければ、ブクマや、広告下の☆の評価もお願いします。

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