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第五十九話 荷物持ち商売する


「ところで、ここで相談がある。お前ら肉買わないか?」


 僕は収納からマイが焼くだけに加工したステーキ肉を、焼き肉用斧を出し、その上に五枚積み上げる。

 ポルト達の視線が肉に釘付けになる。僕達は食べ飽きたステーキも、普通はごちそうだ。そうだな、店で食べたら1食銀貨2枚くらいはするだろう。


 僕らは今は貧乏だから、かなりまけてやることにする。


「これで銀貨2枚!」


「買った!」


 速攻売れた。焚き火の火をおこして、いつもの斧でマイが焼く。僕らはみんなで朝からステーキだ。ポルトたちは冒険者の割には食べ方が綺麗な気がする。


「これは何の肉なんだ?」


 ポルトが僕に聞く。


「ん、ヘルハウンドだ」


「ぶっ!」


 ポルトは口に含んだものを吐き出す。


「大丈夫かポルト?」


「ザップお前なんてもの食わせてるんだ!」


 ポルトは立ち上がる。もしかして、ヘルハウンドは食用じゃないのか?


「お前早く言えよ! この肉、燻製にして売っても金貨1枚くらいにはなるぞ!」


「え、そんなに高いのか?」


「だってヘルハウンドだぞ、倒せる冒険者ほぼいないぞ!」


 それ、僕の収納にしこたま入っているのですけど……


 マイができるだけ暴れないように素手で殺して血抜きした極上のやつが……


 もしかして、僕の収納の中の物を売ったら結構なお金になるのでは?

 けど、余り目立つことはしたくない。冒険者として簡単な依頼を堅実にこなして、実力をつけながら『ゴールデンウィンド』を目指していきたい。あいつらは人としては最低だったけど、実力は折り紙つきだったからな。


 まずは、銀貨2枚手に入れた。通行料は身分を証明出来るものを持ってない者は確か1人頭銀貨3枚。あと銀貨7枚で足りる。


「ちなみにガイルさんは何の商売をされているのですか?」


「私は香辛料を主に扱っております」


「もしよかったら魔物の素材をそちらの言い値でいいので引き取ってくれませんか?」


「申し訳ございませんが私はその手のものは取り扱ってないのですよ……」


「そうですか……」


 仕方ない、僕には信用がないからな。まあ、僕なら二束三文で絶対に損しない額で買うのにな。いい人なんだろう。香辛料ならポーション系も武器も買い取ってくれないだろうな。


「それじゃ、冒険者の皆さんは何か買い取って貰えませんか?」


 僕は品物を並べる。


「魔法の収納持ちっていうのは本当だったのだな」


 ポルトたちは目を見張る。


 ミノタウロスの武器シリーズと、青と赤のポーションを並べる。


「いい武器だけど、重すぎて俺たち誰も使えないな……」


 ポルトは残念そうだ。


「こちらのポーションは効能順に並べているわ。あたしの申告だから信じてもらうしかないけど」


 冒険者たちはポーションを手にとってしっかりと見る。

 半信半疑ながら、1人1つづつ青の最高級ポーションを買ってくれた。1つ銀貨1枚の大特価だ。マイが言うにはフルポーション、死なない限り全快するらしい。


 通行料はあと銀貨3枚だ。なんとかなりそうだ。


 僕達と、冒険者たちはその場を片付けて出発した。


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