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 牛柄猫と炬燵

今日は朝から忙しく、こんな時間になってしまいました(T_T)


「ザップ久し振りだにゃー」


 僕の目の前には白に黒の牛柄の猫がいる。夏にいつの間にか出ていったモフちゃんだ。

 ここはドラゴンの化身アンの部屋。新しく出来た炬燵こたつに足を突っ込んだら、なんか毛皮みたいなものが足に触れ、炬燵の布団を開けてみたら猫がいた。

 僕の心の中にジーンと温かいものが染み渡る。


 猫ちゃん。猫ちゃんが帰って来た!


 モフちゃんの姉と言われている、北の魔王リナ・アシュガルドにモフちゃん所在を確認したところ、暑い夏の間は毎年モフちゃんは山間の避暑地に行ってるそうだ。なんとリッチな事だろう。


「ザップ、何人を足蹴にしてやがんだよ。わびもなしか?」


「すまない、居るとは思わなくって」


 僕はモフちゃんには絶対服従だ。なんとかしてモフモフしたいものだ。


「ご主人様、炬燵が冷えるから、閉めてもらえませんか?」


 この部屋の主のアンから声がかかる。


「ああ」


 僕は布団を閉じるが、そしたらモフちゃんとコミュニケーションが取れないので、頭を炬燵に突っ込む。


「おい、ザップ。炬燵は足を入れるものだろ。しょうが無い。頭だけ出してやるから、お前も外に顔を出せ。それとも何か?アンの足を見ときたいのか?」


「いや、そんな事は無い」


 僕は急いで炬燵から頭を出して足を入れる。

 炬燵からはモフちゃんが頭だけ出して心地よさそうに目を閉じている。僕はそれをじっと眺める。そうこうしてるうちに寝息が聞こえて来た。いつの間にかアンが横になって寝ている。モフちゃんは大きくあくびをする。寝てはいないみたいだ。


「モフちゃん、猫ってそんなに炬燵が気持ちいいのか?」


「ん、そだな。お前も猫になれば解る。目を閉じてリラックスしろ」


 僕は言われた通りにする。服がブカブカになる。体が縮んだのか?この感覚は覚えている。猫化の魔法だ。体が縮みフサフサの毛と肉球で僕が猫になったことを確信する。脱げた服を収納に入れて、僕は炬燵に潜り込む。


「ほぅ、ザップすげーな、猫になってもスキル使えるんだな」


「モフちゃんも使えるじゃないか」


「俺様は特別だ。それはそうと気持ちいいだろう」


 僕らは炬燵の中で丸まる。やばい、眠くなる。これは心地いい。この炬燵は魔道都市製の魔道具で、炬燵の脚組の真ん中にある宝珠から温かい光が放たれている。その赤い光に僕達は照らされている。導師ジブル言うには、もともとは白い光だったけどそれでは炬燵はあまり売れず、光を赤にしたら馬鹿売れし始めたそうだ。色って大事なのだな。


 僕とモフちゃんは心ゆくまで炬燵の暖かさを堪能した。炬燵っていいものだな。本当に。

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