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 素振り


 朝起きたら体全身が痛い。


 もうじき冬が来る。冬になると冒険者の仕事は極端に少なくなる。まずは討伐依頼が減る。魔物が冬籠もりするからだろう。護衛依頼も減る。わざわざ雪の中移動する隊商も減るからだ。

 しかも多分今年もドラゴンの化身アンは炬燵こたつドラゴンになって働かなくなると思われる。そうなると奴は、たまに鱗と尻尾を素材として提供するだけの家畜と化す。

 細々と暮らすのならば問題ないのだが、お金の心配しながら生活するより、今のうちに稼いで余裕のある生活を送りたい。

 という訳で、今は王都で寝泊まりして、報酬のいい依頼をガンガンこなしている。因みに実家は冬に向けて増築改装中だ。

 昨日、一昨日討伐依頼で東奔西走してたので筋肉痛がひどい。それでも起きたら顔を洗ってハンマーを手に宿の中庭に向かう。正直今日は辛い。一瞬今日は素振りは止めようかと思ったが、強い意志でそれをねじ伏せる。


 軽く準備体操をしてから、ハンマーを両手で握る。ハンマーの柄は金属でそれに滑り止めに丁寧に布を巻いている。布ごしでも金属の冷たさが伝わってくる。

 ハンマーを振り上げ振り下ろす。それをしばらく繰り返すうちに体が温まってくる。数千数万回以上繰り返した動きなので、今ではただ腕を上げ下げしているのと変わらない。

 どんなに疲れていても、辛い時も悲しい時も起きたら素振りをする。太陽が東から登って西に沈むのと同様に素振りを当たり前の事にしたかった。それは実現出来ていると思う。

 僕には戦いの資質も無ければ技術も無い。だからただ繰り返すしかない。このハンマーを振り下ろすという動作を繰り返すしか無い。毎日毎日、それを最高のものに近づけるために僕はハンマーを振り続ける。

『原始の迷宮』で危機に陥るまで、僕は何一つ戦いの訓練をしてこなかった。と言うよりも、何をしたら強くなれるのか分からなかった。戦えば強くなれるものだと思っていた。けど、今なら解る。戦いは舞台の本番のようなもの。その前には綿密な準備と絶え間ない修練が必要だということを。強くなる為には実戦だけではなく訓練が必要だということを。

 僕はただハンマーを振るう。その動きの無駄を削ぎ落とし少しでも強力な一撃を叩き込めるように。

 体は痛いし、集中した二日間だったからか倦怠感に包まれてやる気が出ない。けど、そんな事どうでも良い。朝は素振りをすると決めた。強くなるために。僕はハンマーを振るい続ける。


「おはよう、ザップ」


 珍しくマイが僕より後に来た。とは言ってもまだ朝早いのだが。


「ああ、毎日おはよう」


 マイは微笑むと収納から大斧を出すと素振りを始めた。


 気合を入れ直し、素振りを再開する。この優しく平和な日々を守るために、少しでも強くなるために。

 

 正直、アイデアが湧かない、体調が悪い、気分が乗らない事もありますが、ザップさんみたいに毎日毎日、なにかしらアップしていこうと思います。少しでも前に進むために。

 あと、このあとのポイントをお願いする文ですが、不安になりますので最新話にはつけさせていただきますが、あとで削除して数話おきに修正していきます。私の話は短いので読み返してみると、かなりうざったいと感じましたので。いろいろご迷惑おかけすると思いますのでよろしくお願いします。


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。


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