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 蹴りは諸刃の剣


「それでは皆さんよく見ててください。ではお願いします」


 エルフの格闘家グラップラーデル先生は、右手を左手で包み目の前に上げる。拱手という、ここでの挨拶法だ。

 その対象は、黒装束に頭巾、目をだけ出した自称闇に生きる者。忍者ピオンだ。

 デルの拱手に対して、ピオンは軽く頭を下げる。会釈と言う奴だ。闇に生きてる割には礼儀正しいな。


 金髪碧眼に道着を纏った麗人と、小柄な黒装束の少女が対峙している。この絵ずらだけで結構耳目を集められるのではないか?そして2人は今から組み手を行う訳だが多分派手な事やってくれるだろう。ストリートパフォーマンスとして成立するのでないだろうか?1度デル先生の格闘技講座を人口が多い所でやってみるのも面白いかもしれない。結構おひねり貰えるのでは?


 最近、冒険しごとあんまりしてないので、なんでもかんでもすぐにお金にする事を考えてしまう。しっかり稼がないと、丸坊主にされて素材になる僕の髪の毛を売っぱらわれる気がしてならない。


 仕事、髪の毛を売る事です。


 そうなってしまったら、僕はもう冒険者では無く、羊毛をとられる羊のようなものだ。家畜だな。そうはならないように、明日はギルドに行こ。


 ちなみに今日もいつメン、僕、マイ、アン、レリーフにパムが座ってデルとピオンを見ている。


 思考加速でしょうもない事考える事しばし、2人は後ろに下がって構える。構えは違うけどタイミングは同時だった。


「いきますっ!」


 ピオンが前に出る。僕の悪影響かもしれないが、周りの人々は強力な相手でもガンガン攻める。いいことなのか悪いことなのか。


 ピオンは軽く左手のジャブから右手のストレート、デルはスゥエーでかわす。ピオンは空いた距離を詰めながらの水面蹴りからの後ろ回し蹴り、これもデルはかわす。

 更に勢いを殺さず放たれた前回し蹴りをデルはしゃがんでかわすがそこで蹴りの軌道が変わり踵落としがデルを襲う。それをデルはギリギリのバックステップでかわす。ピオンの体がすこし沈んだと思ったら、前に出ながら宙返りからピオンの足が伸びる。『前宙型踵落とし』前に迷宮でピオンが放つのを見た事がある。えげつない全体重に回転力をのせたそれはガードした腕毎敵を叩き潰したのを思い出す。


 ぶちっ!


 ピオンの足がデルに当たる。なんか変な音したな?

 デルは微動だにしない。ピオンは着地するとその場にうずくまり立ち上がらない。


「攻撃した時はその攻撃した部位が1番危険にさらされているという事を理解しなさい」


 仁王立ちしてたデルがしゃがんでピオンの足に手を触れる。収納からエリクサーを出してかけたのだろう。僕が仲いいメンバーには全て僕の収納の管理者権限を与えているので、エリクサーは標準能力になってる。


「まさか、浴びせ蹴りを前にでて頭でアキレス腱を切るなんて。そんな事出来るのはデルさんくらいなものですよ。タイミング間違えたら頭割れますよ」


 デルに手をとってもらってピオンが立ち上がる。


 うん、2人がやった事、どっちも僕は無理だわ。まず、体固いしね。


 ちよっと戦いが高度すぎて、一般受けしないかもと思ったけど、解説に妖精のミネアなどを雇ったらアトラクションとしていけるんじゃ?

 そんな事を考えながら、今日は攻撃部位破壊についてレクチャーを受けた。

読んでいただきありがとうございます。


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