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 脳筋大運動会 12


「ジブルッ!」


 僕は駆け出しジブルを飲み込んだ蛇頭を目指すが、同じ様な頭が2つ3つ襲いかかってくる。それらをマイが斧で捌いてくれてその間をぬって喉が膨れた蛇頭の下のくびれた所にジブルを巻き込まないように少し加減した一撃を叩き込む。


「吐き出せぇいっ!」


 ごぶっ!


 下から上にジブルを引っ掛けるように押し出す。ジブルを呑み込んだ蛇頭は嘔吐くような音をたて口を開く。口の中から小さなしゃれこうべと骨になった手がはみ出した。残念、無残だ。


「遅かったか……」


 僕は悲しそうな顔をして、とりあえず口にしてみた。


「ジブル……消化されちゃったのね……」


 マイものってくれた。マイの顔にも大袈裟な悲痛さが溢れている。ちなみに、少女冒険者4人は遠巻きに僕らの茶番を眺めている。


「彼女の犠牲を無駄にしないためにも、俺たちは先に進もう。ゴールを目指すんだ。行くぞ!」


 僕はこの場を立ち去ろうとする。


『人が死んだみたいに言わないで下さい!しかも置いてこうとしないで下さい!』


 風にのってジブルの囁きが聞こえる。ジブルの魔法によるものだ。奴は消化された訳じゃない。スキルのスケルトン化だ。かなりのチートではある。はっきり言ってスケルトンになったら弱体化するだけなんだけど、高い不死性を発揮する。ボロボロ粉々になってもしばらくしたら再生する。みんなそれを知ってるからジブルが食われるのを安心して見ていた訳だ。

 まぁ、スタートの時に僕達のまわりに無駄に凝った魔法陣を描いたのはこいつだと思うから、少しは反省してもらおうと思っていたのでもあるが。


「おいジブル、それは違う。ここでは『私の事は気にせず先に行って、すぐに追いつくから』ってそう言う所だろ」


 襲い来る幾つかの蛇頭をあしらいながらジブルに指導する。それにしても頭から呑み込まれたはずだが、どうやって方向転換してこっちに頭を向けたんだろうか?実は奴はかなり余裕あるのでは?


『解ったわ!みんな、私の事は気にせず先に行って、すぐに追いつくから…………って、違うわ、明らかに死亡フラグじゃないこれって、あ、待って、みんな、みんな行かないで、置いてかないでーーっ!』


 ヒドラの口の中で茶番を続けるジブルに背を向けて立ち去ろうとするが、ちょっと可哀相になり振り返ると、ちょうどジブルを食べている蛇頭の顎が閉じた所だった。

 さすがにヒドラの排泄物まみれの奴が帰って来たら地獄ではあるな。


「マイ、首の根っこからちょん切ってやれ」


「はいなー」


 まるで風のように飛び出したマイが収納から出した大鎌でジブルを呑み込んだ蛇頭の根元を瞬時に刈り取る。そしてのたうつ蛇頭を流れるように、両断した。


「ザップー、ジブル居ないわ」


「え、首まちがったのか?」


 ゴボゴボゴボッ!


 マイが切った首の根元から新しい首?が生えてきた。


 その先端には良く見知ったもの、ジブルの上半身がついていた。

 



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