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 脳筋大運動会 11


 ギュオオオオオオワン!


 遠くから謎の叫びが聞こえる。僕達は魔王リナが作ったと思われる道を駆け抜けてる所だ。

 叫び声はなんとなくドラゴンの叫び声にも似ている気がするが、声が高く、ドラゴンみたいにお腹にズンとこない。要は距離と声量からして巨大な生き物が放ったものだと思われるが、安っぽいので大したものでは無いだろう。

 一応古竜のアン、暗黒竜オブシワン、水竜王シルメイス、雑魚黒竜に、雑魚水竜に雑魚竜。沢山のドラゴンの叫び声を聞いてきた僕は、多分間違いなくドラゴンの咆哮鑑賞については第一人者だろう。叫び声でだいたいの大きさ種族が予想出来る。あとその時のドラゴンの感情も多少は。まぁ、無駄スキルでしかないが。


 まあ、なんにしても巨大生物がいるはずだ。牛1頭より絶対に魅力的だ。


「マイ、ナビしてくれ、行くぞ!」


「うん」


 僕よりマイの方が耳がいい。獣道から森に突っ込んだマイを追っかける。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ザップ、マイ姉さん。ヒドラ、ヒドラです」


 正直冒険者のうちの1人、魔法使いのルルが僕達に振り返る。む、僕だけ呼び捨てかよ。三角帽子に黒のローブ、彼女と一緒に凶悪な胸もブルルンとこっちを向く。

 木々の隙間から蛇の体みたいなものが数本見え、ここからは赤い鎧。多分戦士アンジュの背中が見える。


「ヒドラ? なんでお前達が手こずってるんだ?」


 ヒドラか、僕は初めてのエンゲージだな。けど、ドラゴンよりは弱いはず。


「私達も今来た所です」


 木々の間からエルフの野伏レンジャーデルが現れた。金色のサラサラな髪を靡かせて、緑の上下に皮の胸当てをつけている。若干胸が盛り目なのはご愛嬌だろう。最近のデルの格好は道着ばっか見てたので、冒険者スタイルは新鮮だ。普通のエルフに見える。


「ザップ、女の子の胸ばっか見ないの!」


 む、マイがちょびおこだ。瞬間しか見てなかったのにばれてたか……


「ごめんなさい。それより、デル、ルル、援護頼む。マイ行くぞ!」


 とりあえず誤魔化せたかどうかは解らないけど、今後は気をつけよう。サングラス常備するか?


「アンジュ、援護する!」


 僕はハンマーを出し、とりあえず蛇の胴体みたいなのを殴り潰す。


「ザップさん、すぐに再生するんすよ」


 アンジュは両手に持った巨大な斧で僕が潰した所を滅多斬りにする。赤い鎧に返り血がつく。蛇の体は完全に断たれるが僕から見て右手の方の断面からうねうねと蛇の頭が這い出してくる。しかももう片方はビチビチ暴れまわる。僕が再生し始めた頭を叩き、ついてきたマイがのたうつ方を蹴り飛ばす。


「ジブルが、ジブルが喰われたわ!」


 大きな斧を持った小柄でポニーテールの神官が駆けてくる。この中で一番影が薄い、神官戦士のミカ? だ。多分名前は間違って無いと思う。胸は大きいけどルルより小さく、身長は低いけどジブルよりは大きい。神官としてはシャリーに劣り、シャリーのように人でなしじゃないから存在感が希薄だ。器用貧乏。その言葉がしっくり来る。


「あそこっ!」


 ミカ? が上を指差す。そこを見ると、大きな蛇の口から誰かの下半身が生えている。蛇の首は結構な高さまでもたげられ、じたばたしてる下半身はローブがはだけパンツ丸見えだ。細い子供のような足に相応ふさわしくない、黒い布面積が少ないフリフリでお尻は紐のえげつないものを穿いてやがる。


 しばらく、僕達の時が止まった。


「見た目子供なのに、えげつないっすね……」


「私、初めてみたわ。あんなの何処に売ってるのかしら」


「あたし、あんなの恥ずかしくて無理よ」


 アンジュ、ミカ?、マイ。純情な娘達には刺激が強すぎたみたいだ。ジブル、ある意味ドラゴンよりも破壊力がある。


 ごっくん!


 ヒドラは上を向くとジブル? を飲み込んだ。


「「「「あーっ!」」」」


 僕達はヒドラに駆け寄った。


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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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