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 脳筋大運動会 9


「シャリーの祝福って厄介だな……」


「もう、いっその事死なない程度にやっつける?」


 僕はマイの言葉に首を横に振る。さすがに女の子相手にそれはやり過ぎだろう。


 僕とマイはメイド服の4人に囲まれている。

 走りながら襲いかかって来る彼女たちをあしらっていたのだが、少し開けた所に出て4人同時に襲いかかってきたので、さすがに足を止めた。

 彼女たちは、シャリーの祝福でかなり能力が上がっている。走るスピードは僕達と変わらないか、いや、あいつらの方が少し速い気がする。競争だから僕達を追い抜いていけばいいのに、執拗にちょっかいかけてくる。面倒くさいな。いっその事また埋めるか?


「さあ、観念して、この服を着て下さい!」


 ラパンが収納からメイド服を出してそばの岩にかける。


「なんで、そんなにメイド服にこだわるんだ?」


「それは、マリアさんのためです。ザップとマイさん、それに僕達が王都にこの服で凱旋したら、それはもう素晴らしい店の広告になるはずです」


 僕とラパンはマリアさんにかなりお世話になったので、面倒くさいけど着替えてもいいかなと少しだけ思うが、これを来て王都で晒し者にされる姿が思い浮かぶ。


「やっぱ。無理だわ。勘弁してほしい」


「それなら力づくで着て貰うのみです!」


 ラパンはそう言うと、ケイとピオンに目配せする。


「いきまーす!」


 猫耳少女ケイが駆けてくる。接近しながらそのスキルを開放し、メイド服の上半身が弾け飛び、人間が到達出来る限界だと思われるほど鍛え抜かれた筋肉が現れる。しっかり胸の先端は隠れてはいるが、女性としての魅力も一緒に弾け飛んでいる。


 ケイが僕に近づき、丸太のような腕が振り下ろされる。それをかわし無理矢理下に押さえ混む。ケイの腕に触れたけど、カッチカチなのにすべすべだった。なんか変な感じだ。苦手だった食べ物を久し振りに口にしたら意外に美味しかったような感じだ。


 ドゴン!


 ケイは大地を殴りつけ、土砂が弾け飛ぶ。


「うわっと!」


 ピオンの方から飛来したものをかわす。それは地面につき刺さる。変わった形のナイフのような武器だ。


「惜しい。擦るだけでも麻痺するのに……」


 ピオンはさらに変形ナイフを投げ続ける。そうだ、あれって忍者の武器の棒手裏剣ってやつだ。おいおい毒つきかよ。


「やっぱりさすがはザップね。ケイ、シャリー、僕達でなんとか押さえつけて、ピオンに麻痺させて貰う」


「はいはーい」


 ラパンとシャリーも参戦してくる。普通だったら余裕だけど、バフつきの3人はしんどい。殴りかかってくるのを避けたり弾いたりしながら押し返しているが、誰か1人に掴まったら終わりだ。あと彼女たちの変な所を触っても終わりだ。マイ様が黙っちゃいない。ん、マイ?


「マイ、見てないで手伝えよ」


「いやー、あたしは別に着替えてもいっかなって」


 マイは適度な岩にハンカチっぽいものを敷いて、カップでなんか飲んでいる。完全に寛ぎモードだ。


 キン、キンッ!


「ラパン、ザップ固すぎて手裏剣刺さらない」


 僕の背中に棒手裏剣が当たるが、気合いが入っている僕の防御力を突き抜ける事は出来なかったようだ。


「ピオン、僕が押さえつけるから、柔らかいとこ狙って、目とか口とか」


「ラパン、お尻もいけるんじゃ?」


「シャリーそれは人として可哀想なんじゃ?」


「目も口も尻も狙うな! 死ぬわボケェ!」


 なんかメイドたちがワキャワキャ剣吞な事をほざき始めたので、収納のポータルを四方に放つ。


「「「「キャー!」」」」


 広範囲の地面の土砂を収納に入れ、大きな穴を掘った。足場が無くなり、僕達は落下していく。こいつら全員埋めて木の肥やしにしてやる!



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