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 金色の風

 あとで推敲します。すみません<(_ _)>


 金色の髪を靡かせて、まるで物語の中から飛び出して来たかのような美丈夫が駆け巡る。


 勇者アレフ。


 王国最強と言われる冒険者パーティーのリーダーだ。その通った後には血飛沫が舞いゴブリン達が地に伏していく。




 荷物持ちの依頼を受けてる時に魔物に迫られて死を覚悟した時、そこに現れたのは王都随一の冒険者パーティー『ゴールデン・ウィンド』のリーダー勇者アレフだった。音に聞こえし英雄の卓越した戦闘能力を目にして、僕はただただ目を奪われた。


金色の風ゴールデン・ウィンド


『金色の風が吹き去った後に、悪が栄えた試しなし』


 酒場の吟遊詩人の唄う今流行の英雄譚サーガのフレーズが口から漏れる。


 金色の風が吹き去った後、まだ息のあるゴブリン達は必死に逃げ始めた。


「フリーズアロー」


 戦場に似つかわしくない、甲高い女性の声がする。振り返ると魔法使いのような格好のやたら胸とお尻が大きく腰が細くくびれた女性が駆けてきた。その美しい顔に場違いながらドキッとする。その手には魔法使いの使う杖が握られていて、そこからキラキラした透明な矢が無数に現れて、逃げ始めたゴブリン達に突き刺さる。矢は全てゴブリンの足に命中し当たった所から氷の塊が出来ていく。


「もうっ、アレフ、雑なんだから、ゴブリンは殲滅しないとまた増えるでしょ」


 魔法使いの女性は勇者アレフに駆け寄り演技っぽくプウッと頬を膨らませる。よく見るとかなり化粧が濃い。目の周りにはかなり濃くアイラインが引いてありアイシャドーは少し不自然な程で口紅は燃えるような赤だ。なんていうか華があり、まるで舞台女優みたいだ。


「ったくっ!またゴミ掃除かよ!」


 振り返るとまた巨人が現れたのかと思った。綺麗に剃り上げた頭に整えられた髭、背が高くがっちりとした体の男だ。持っていた大きなリュックサックを脇に放り投げると背負った大剣を両手で握り走り出す。背丈程あるのではないかという大剣は滑らかに弧を描き、足を取られて動けなくなったゴブリン達を屠っていった。


「大丈夫ですか?」


 森の中から現れた白い神官衣の女性が倒れた僕の依頼主の冒険者達を癒していく。凄い、死んだかと思っていた冒険者達が身を起こしていく。その女性は穏やかな表情で、魔法使いと対極的に化粧っけが全くなく、それにもかかわらず、大人になりかけの少女特有の美しさを備えていた。治療されている冒険者達も顔を赤くしている。




「ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」


 依頼主のリーダーが『ゴールデン・ウィンド』の4人に頭を下げる。当然残りの3人も僕も深々と頭を下げる。


「いいって事よ、たまたま通りかかっただけだ」


 そう言うと勇者アレフは僕達に背を向けた。


「俺達は王都に帰るがお前達はどうするか?」


 禿頭の戦士が口を開く。ゴブリンとトロールの討伐証明部位はもう取ってるので僕達も帰るだけだ。それにしても僕の依頼主の戦士4人の後片付けは早かった。『ゴールデン・ウィンド』のメンバーが少し休憩しているうちに、魔物達の部位の剥ぎ取り、死体埋めをてきぱきと終わらせた。やっぱり戦士4人って肉体作業になったら頼もしい。『ゴールデン・ウィンド』は討伐報酬は譲ってくれるそうだ。さすが一流パーティー太っ腹だ。


「俺達も帰るだけです。皆様から距離はとりますのでご一緒してもよろしいですか?」


 リーダーが禿頭の戦士に問いかける。


「ああ、いいぞ」


 そう言うと禿頭の戦士は僕達に背を向ける。勇者アレフと女性2人はもう結構先に進んでいる。


 僕は少し躊躇い決心する。ここしかチャンスはない。


「も、もし、もしよかったらお荷物持ちましょうか?」


「んあ?これめっちゃ重いぞ」


 禿頭の戦士は振り返ると持ってるリュックサックを僕に差し出す。それに僕は触れて魔法の収納にしまう。


「おっ、収納スキルか!初めて見た。便利だな。お前、持ち逃げしたらぶっ殺すからな!」


「そ、そんな事するわけ無いじゃないですか」


 これで、役に立つ事を一流パーティーにアピール出来たはずだ。そしてその後街に戻り報酬の受け渡しなどを終わらせた。




「おい、お前、収納持ちなんだってな。俺のパーティーに入れ」


 後日、ギルドで仕事待ちをしてた僕の所に、勇者アレフが現れると、信じられない事を口にした。この僕が一流パーティーに?


 二つ返事で承諾したが、このあと後悔する事になったのは言うまでもない。







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