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 夏の終わりに

 祝500回と、明日で投稿初めてから祝1年です。なんだかんだで元旦以外は毎日何かしら投稿できました。これも読んでいただいている皆様のお陰です。こんな私の書いたものを読んでくれる方がいるという事が続けられた原動力です。これからも頑張りますので暖かい目で応援お願いします。


 今日僕達はビーチに来ている。花火とバーベキューで夏を締めくくろうという計画で仲が良い者みんなを誘ったらかなりの大所帯になった。


 今僕達がいるのは臨海都市シートルの南東の半島の先の巨大生物が出現するビーチだ。今回も魔王リナのワープポータルで来たのだけど、今回はサービスで使用料は無しでいいとの事だ。


 昼は水着でビーチを堪能して、今は日も沈みみんな浴衣という東方由来の服を着てバーベキューと花火を楽しんでいる。


 僕は今小休止でビーチチェアに腰掛けている。


 気が付けば人付き合いが苦手で自分の事だけで手一杯だった僕に、友達が増えたもんだ。昔は気を許せるのは妹だけだったのに。ゆっくりと辺りを見渡す。


 少女冒険者4人の、戦士アンジュ、神官戦士ミカ、魔法使いルル、野伏のデル。

 初めて会った時にはゴブリンの集団にやられかけていた駆け出し冒険者だったのに、マイの特訓から始まり、今は迷宮都市トップクラスのパーティーだ。心配なのはこいつら将来結婚できるのだろうかという事だ。

 

 北の魔王リナ・アシュガルドには四天王の人形師ナディアと猫のモフちゃんが傅いている。というかリナはバーベキューの肉を焼かされている。主従関係はあるのだろうか?リナとナディアも珍しく服を着ていて浴衣姿だ。こうしてると普通なのに。

 猫のモフちゃんは久しぶりだけど、相変わらずラブリーな猫ちゃんだ。リナと姉妹らしいけど、猫以外の姿は僕の仲間内では誰も見た事がない。


 家の隣の店『みみずくの横ばい亭』メンバーはキャッキャ言いながら花火を楽しんでいる。

 主人のマリアさん、魔道都市のお姫様で僕としばらく同化してたラパン、聖教国の大神官だったシャリー、うっさい妖精のミネア、最近お店で働く事になった獣人のケイと、忍者のピオンとパイ。

 女の子って何人か集まると派閥が出来るって聞いた事があるが、見た目みんな仲良しみたいだ。


 冒険者パーティー『フール・オン・ザ・ヘル』のメンバーも来ている。昼、はしゃいでいたので疲れたのか、僕同様ビーチチェアでぐたっとしている。リーダーの戦士デュパン、吟遊詩人の子供族のパム、ダークエルフの死霊術士レリーフ、女性聖騎士のジニー。なんか気が付くとジニーが結構僕のそばにいるのは気のせいだろう。


 そして、マイとドラゴンの化身アンと魔道都市の導師ジブルは向き合って線香花火というものを手にしている。小さな光から放射状に小さい稲妻みたいなのが弾けてるのが見える。マイって意外にそんな感じの小さいものや儚いものが好きな感じがする。マイは僕の正面で座っていて浴衣の裾から何か見えそうでどきどきしてしまう。

 僕はマイを見つめる。淡い光に照らされてとても綺麗だ。色んな事を思い出す。迷宮にいた時に彼女と出会って無かったら、もしかしたら僕は未だに独りぼっちだったかもしれない。


「ザップもする?」


 僕と目が会ったマイは微笑む。


「ああ、やってみる」


 線香花火の光は小さくか弱いけど、確かに燃えている。


 たまに吹く潮風は涼しく心地よく、夏の終わりを感じた。


 



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