荷物持ち少女
俺の名前はノエル。十五歳になって冒険者に成れる年になったので、幼馴染みの友達3人と村を出て冒険者として生きていくために近くの町にやって来た所だ。家は農家なんだけど、家は兄ちゃんが継ぐから俺はどうにかしてお金を稼いで生きて行かないといけない。うちは7人兄弟でもってる畑は狭く、俺が何とかして稼がないと兄弟達は木の皮や雑草を食べて凌いで行くしかない。俺は次男なんだけど、どうにかしてお金を稼いで兄弟達に人並みの飯を食わせてやりたい。親友のガルボも同じようなもんだ。ガルボの家は畑を持ってなくしかも奴以外の兄妹はみんな女の子と来たもんだ。奴の方が俺よりもせっぱだ。俺たちが冒険者になろうと思ったのは、父ちゃん母ちゃんを魔物に殺されて王都の神殿に行っていた幼馴染みの女の子クーが運良く奇跡を授かって神官として村に戻って来たからだ。村には当然神官としてのお金を稼げる仕事は無く僕達3人は話合った結果、冒険者になる事にした。僕達の村から一番近い町には仮設の冒険者ギルドがある。あとそこには猿人間という有名な冒険者もいるという。僕達3人は夜が明ける前に村を出て町に向かった。
朝一でギルドで登録して木の冒険者認識票を手に入れ首にかけ、依頼を探す。俺とガルボは字が読めないからクーに読んで貰う。
『野良ゴブリン退治』
俺はその紙を取ろうとすると、隣から白い手が伸びてきた。その主を見ると、小柄な体に銀色の髪の毛のこの世のものとは思えない美少女が手を伸ばしていた。
「あ、どうぞ、俺らは違うの探しますから」
つい、気圧されて敬語になる。相手は多分俺より年下なのに。
「私は余ったのでいいですからどうぞ」
少女は屈託ない笑顔を僕に向ける。やばい可愛い過ぎる。クーも可愛いとは思うが次元が違う。俺の心臓の鼓動が早くなる。そうだ。俺は今日から冒険者なのだ。今までと違う勇気を見せてやる。
「良かったら俺たちと一緒に受けませんか」
よし、声も震えず。自然に言えたはず。
「え?」
「何やってんのよ、ラパン。はやくちゃっちゃと選びなさいよ。何そのガキ、子守は勘弁してほしいわ」
美少女の後ろから何かが飛んできてキーキー喚いている。なんだあれは?虫?虫が喋っている。
「あ、虫さん、ガキって俺の事ですか?俺こう見えても15なんすけど?」
「虫?あんた喧嘩売ってるの?妖精よ妖精!15才?ガキもガキクソガキじゃないの。死にたくなかったらお家に帰りなさい。ゴブリンなんて100年早いわ」
虫人間がなんか言ってる。子供扱いは許せない。自分は虫のくせに。
「ミネア、初対面の人に失礼よ。ごめんなさい。この妖精、森暮らしが長くて礼儀作法を知らないのよ。私の名前はラパン。一緒に依頼受けてくれませんか」
少女は困ったような顔をで右手を差し出す。
「俺の名前はノエル。一緒に頑張ろう」
俺はラパンの手を握った。小さくて柔らかかった。