表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/2097

第四十七話 荷物持ちと子供達


 この村の中央にある酒場は東西に延びる道と南に向かう道が交わった所にある。北に少し進むと大きな河があり橋はかかっていない。僕は南、マイは西、アイは東に向かった。


 村の中では、ゴブリンは痩せて錆びた武器とかしょぼい装備の奴しか見かけなかった。さっき見た、武装したゴブリン達はどこにいるのだろうか?


「「「猿人間!」」」


 村の入口の近くの小屋から子供が三人出顔を出している。探してる子供たちだろう。けど、猿人間は止めて欲しい。深く心がえぐられる。


「あ! マカブルだ!」


 南に見える人影の方に子供たちは駆け出す。


「おい。行くな!」


 悲しいかな、僕の制止は全く効果無い。


「しょうがないな……」


 僕もそちらへ向かう。


 マカブルの4人は、呆然と立ち尽くしている。どうしたんだろう?


「もう、おしまいだ……」


 ザナドゥが呟く。


「逃げましょう。馬かっ攫って逃げましょう!」


「そうね、こんなとこで死にたくないわ」


「ゴブリンにつかまったら、私たちは死んだほうがましな目にあうわ!」


 何言ってるんだこいつら。


「お前ら、何言ってるんだ? 返り討ちにするんじゃないのか? ゴブリン討伐の依頼を受けたんだろ?」


「黙れ! ゴミ箱! 俺たちが受けたのはゴブリン1グループの討伐だ! それくらいの金しか貰ってない。ゴブリンの軍相手にするなんて聞いてない! もう十分仕事はした。これから先は俺たちの自由だ!」


 ザナドゥが指差す方を見るとゴブリンの武装集団が幾つか見える。そうか、先遣隊で足留めして包囲して殲滅するって作戦だったのか。頭いいな、そうしたら逃げる馬鹿が出てくるから少しの犠牲で楽に戦える。仲間を犠牲にする、人でなしの戦い方ではあるが。昼間襲撃してるのも夜目が利かない人間に軍勢を見せつけて恐怖を煽るためだろう。


「ザナドゥ、戦わないの?」


 逃げようとしたザナドゥの前に子供が立ちふさがる。


「いや……戦うさ……そうだ、戦って切り抜けて騎士団を呼んでくるから待ってろ……うん、それがいい!」


 ザナドゥはしどろもどろだ。


「リーダー、早く応援呼びにいきましょう!」


 盾使いが急かす。


「急がないといけないから、馬を借りるわね! 借りるだけよ!」


「神様が守ってくれるから、信じてね!」


 ザナドゥとマカブルの三人はそそくさと立ち去ろうとする。


「嘘だ……マカブルは逃げるんだ……僕達を見捨てて……」


 子供の一人が呟く。


「黙れ! うるせいんだよ! 助けを呼びに行くって言ってんだろ! 命あっての物種なんだよ!!」


 ザナドゥは烈火のごとく怒り子供相手に怒鳴りつける。子供は大声で泣き出す。


 そして4人は北の方に走って行った。



 ゆっくりと僕は歩きだす。



「猿人間どこにいくんだ! 馬鹿なのか? お前弱いだろ! 逃げろ!」


 子供が僕に向かって叫ぶ。


「そうだな、猿人間は半分猿だから頭が良くないんだよ」


 僕は収納からハンマーを出す。


みやびからのお願いです。


「面白かった!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、


広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、


ブックマークの登録お願いします。



 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ