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第四十六話 荷物持ち働く


「間に合った」


 つい口から呟きがもれる。


 ゴブリンの先遣隊と『ダンスマカブル』が交戦状態だ。交戦と言うより一方的な殺戮だ。

 パーティー名の意味の死の舞踏と言う名に恥じない戦い方でザナドゥが踊る度にゴブリンが地に這いつくばる。盾使いは盾で殴りつける槍で刺すという攻撃的な戦い方で、魔法使いは炎の矢を放ち距離を取ってゴブリンを屠っていく。神官もメイスでゴブリンを殴り殺しまくっている。どういう神様に仕えているのか謎だ。


 加勢しなくても大丈夫そうだ。ここは彼らに任せよう。


 僕達はその戦いを横目に、急いで村の中心部に向かおうとする。


 僕らに気がついたザナドゥが戦いながら声をかけてくる。


「おい、ゴミ箱なにしてる、雑魚はひっこんでな! それともゴブリンの死骸でもあさりにでも来たか?」


「別働隊がいる! 気を付けろ!」


 僕は一応忠告する。嫌な奴だがゴブリンを掃討する方が先決だ。


「ハハッ、別働隊? そんなの返り討ちにしてやるよ」


 ザナドゥの声を背中に駆け抜ける。


 村の中は戦いの後だった。ゴブリンの死骸しか無いから村人の犠牲者はまだいないようだ。ちらほらいるゴブリンを殴り倒しながら、中央の酒場に向かう。


 酒場につくと、建物の窓は塞いであり、入口に数人の村の男達が農具や棒の先に包丁をつけたものなどで武装して十数匹のゴブリンを牽制している。その中には店の主人の老人もいる。


「お前達。何しに来た。弱いんだろ逃げろ!」


 老人が僕に気付いて大声をあげる。


 ゴブリン達が振り返り僕達に気付いて、にじり寄ってくる。


「困ったときはお互い様なんだろ」


 僕は収納からハンマーを出して構える。


「もらった食事代くらいは働くわよ」


 マイはダミーで背負っていた、リザードマンの槍を構える。


「ご主人様ってほんとにお人好しですよね」


 アイも武器を構える。



 鎧袖一触、しばらく後には全てのゴブリン達が地に伏した。


「ありがとう。助かった。あんたら、強いんだな、人は見かけによらないんだな、図々しいかもしれないが頼みがある。村人は全員この中にいるんだが、子供たちが数人見つからないんだ。頼む、探してきてくれないか?」


 老人と、男達は平伏して頭を下げる。そこまでしなくてもいいんだが。


「頭を上げてくれ、まだ、パン一個分くらいしか働いてない、あと煮込みの分くらいは働くさ」


「ザップ、あたしたちまだパン一個分も働いてないわよね」


 マイが僕に微笑みかける。要するに食事分の働きならここらのゴブリンを全滅させるくらいはするって事だ。


「私にとっては、パン一欠片くらいですかね」


 まあ、こいつにとってはそのくらいだよな、ドラゴンだし。


 子供たちって、僕を猿人間っていってた奴らだろうか、それなら村の入口くらいにいるのでは?


 僕達は、手分けして探す事にした。


 

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