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 武器購入


 王都の冒険者ギルドで海の戦利品を買い取って貰い、次は僕達は武器屋を目指す事にした。

 今までは武器は拾った物を愛用してきたが今後もしまた水中や海中で戦わざるを得なくなった時に僕達が今もっている武器では心もとない。

 少し歩くとすぐに商店街につく。

 小さな町では武器屋と防具屋、はたや道具屋まで一緒くたな店もあるが、ここ王都ではそれぞれの店になっている。しかも店構えも大きい。

 迷わず1番大きな武器屋に入る。


「いらっしゃいませーっ」


 店に入るとエプロンをした愛嬌のある女の子が笑顔で駆け寄ってくる。美人局(つつもたせ)商法か?

 冒険者は男が多くしかも駆け出しはモテない。こういう可愛らしい女の子が接客してたらホイホイ高い武器を買ってしまう事だろう。高価な剣を手にした所で女の子に格好いい的な事をいわれたら、そりゃもうイチコロだろう。


「どのようなものをお求めですか?」


 素晴らしい笑顔で女の子は問いかける。


「水中で戦うに適したものを頼む」


 それに負けじと多分素晴らしい笑顔で僕も答える。


「水中?水中って水の中ですか?」


 まだ、笑顔で問い返してくる。中々上級の質問なはずなのに、やるな!


「そうだ」


 また、笑顔返し、それにしてもこの娘、何当然の事いってんだ?


「水鉄砲や釣り竿ですか?」


 また笑顔が素晴らしい。けどそれはボケなのか?微妙だな。


「お前、武器屋の店員だろ、客にものを尋ねるな」


 僕は笑顔で少し攻撃してみる。


「マスター、ちょっと来て下さーい。水の中での武器が欲しいそうでーす」


 女の子が笑顔のまま店のカウンターの方に声をかける。バンザイしやがったな。すると、背の高いキツネ目の男がそれは素晴らしい笑顔で出て来た。ここまでくると愛想いいと言うよりはキモいわ。笑顔になる変なクスリでもやってるのか?


「いらっしゃいませ、水の中で戦える武器ですか?」


 非の打ち所の無い笑顔攻撃。なんかお店の商人ってキツネ目が多いような気がするが、この時僕は気付いた。愛想笑いで目を細めるとキツネ目になる事に。商人にキツネ目が多いのではなく、商人になるとキツネ目になるんだ。けど、やっぱり社会では愛想は大事だな、僕もキツネ目の荷物持ちを目指し、武器屋のマスターに対峙する。


「ご主人様、1度鏡を見た方がいいですよ、ご主人様の場合笑顔というよりもエサを取られて牙を剥いた猿みたいですよ」


 ぐうたらドラゴンが僕にダメ出しをしてくる。


「余計なお世話だ。お前には言われたくない」


 こいつは自分が笑いたい時にしか笑わない。自分に素直なのは長所でもあるかもしれないが、人間として生きていく為には愛想笑いも必要だ。

 決めた、この愛想笑いも出来ない生き物にはしばらくこの武器屋で笑顔の修行させる事に。


「いや、ご主人、武器の事はもういい、俺はあなたの素晴らしい笑顔が欲しい」


「「「「えっ!」」」」


 ん、場が凍りついた。なんか変な事言ったか?ん、よく考えると言葉が足りな過ぎる。


「まった、まった、言い直す。武器の事は後でいいから、あなた方の笑顔は素晴らしいのでそれを教育してほしい。ここにいる野生児のような娘に」


 そう言って僕はアンの背中を押して前に押し出す。僕の手は服を突き抜けアンの素肌を触っている。またこいつ幻の服だけしか纏わず全裸だな。変態めっ!

 話が終わらないので、スルーする。


「ちゃんと武器も買うし、教育費も払う。という訳でそこのお姉さん、こいつを裏でしつけてくれ。1週間だ!」


 僕はそう言うとカウンターに大金貨1枚置く。


「畏まりました。1週間でこの娘さんを何処に出しても恥ずかしくないサーバーに仕上げてみせます」


 マスターが店員の女の子に目配せするとアンは女の子に奥に引きずり込まれて行った。


「えー、助けて下さい。マイ姉様ーっ」


 ドラゴンの断末魔を僕達は無視する。逃げようと思えば逃げられるはずなのにそれをしないという事はアンも意外にのりのりなんだろう。


 そして、僕とマイは店のマスターに色々武器を見せてもらった。

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