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 海海海


 ザザーン……


 ザザーン……


 ビーチに波が打ち寄せる心地よい音を聞きながら僕はウトウトしてた。


 海っていいもんだな。あくせくと働いていた日常とは違い、時間の流れが緩やかに思える。


 僕は痛む首をゆっくり回して辺りを見渡す。

 正直首がもげたかと思った。


 海の中のマイに次は魔法の収納の力のポータルを使ってマイの回りに湧水の冷たい水を発生させたら、僕の仕業だと証拠もないのにばれた。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ヒャッ!」


 可愛らしい悲鳴を上げて、マイは背筋に氷を突っ込まれた時の100倍くらい激しいリアクションでその場から文字通り跳び上がった。柔らかそうな物体がぶるんぶるん揺れまくった。それが見られただけでよしとしよう。


「ザップ、ザップでしょ収納からなんか出したんでしょ!」


 落ちつくなりマイは声を荒げ、ズカズカと僕の所に来た。鬼のような形相だ。


「何言ってるんだ? 証拠はあるのか?」


 僕は立ち上がってマイを見下ろす。いかんマイのリアクションかあんまおもろかったんで我慢しても口元が緩んでしまう。


「ザップー、にやけてるわよ……ザップの以外誰が、誰が、そんな下らない事するのよ!」


 そうだ、よく考えるとすぐ分かる事だな。ここにいる者のほとんどはマイをリスペクトしてるのでしょうも無い悪戯をするわけが無い。


 赤い顔のマイは問答無用で僕にビンタを放ってきた。しかも重心移動で体重を乗せてきている。まだまだだな、軽くかわせるな。けど、僕の目は激しい動きで揺れる物体に釘付けになってしまった。あと少しではみ出そうだった!

 そしてあえなく僕はマイの殺人ビンタで宙を舞いサングラスは遠くに飛んでいった。けど大丈夫だ!

 狡兎三窟あり。昔の言葉でずる賢い兎は3つの巣穴を持っていて1つを潰されても大丈夫とかいう意味だ。

 こういうこともあるかと思って、予備のサングラス、予備の予備のサングラスまで用意している。


「すまん、ただの冗談だ」


「もうっ、しょうもない事してないでザップも泳ぐわよ。あ、ごめん、ザップって泳げなかったのよね」


「…………ッ!」


 くうっ、マイは知っててからかってやがる。到着するなり僕ははしゃいで海の深い所まで突っ込んで波にもみくちゃにされ、あと少しで溺れる所だった。僕は多分泳げるはずだ。今まで深い水に入った事が無いだけで、練習すれば泳げるはずだ。ただ経験が不足しているだけだ!


 本当は浅瀬で泳ぎの練習をしたい所だけど、なんというか、僕の事を過大評価してくれてるここにいる者達の前でそれをするのは恥ずかしい。というわけで、ビーチチェアから悪戯する事しか出来ない僕だった。実は少し波怖い……



 昼も近づき、多くの者はゴロゴロしている。


 ザザーン……


 ザザーン…


 後続で合流した幼女導師ジブルと妖精のミネアが海で戯れている。ここからでは骨と虫にしか見えない。目の毒だ。沖では変態どもが水柱をあげて泳いでいる。飽きないものだな。


 僕は、辺りでビーチチェアやシートに寝ている女の子達を心ゆくまで鑑賞した。

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