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 天使の髪の毛


「夏と言えば天使の髪の毛ですね」


 今日は何を食べようかという話になって、エルフのデルが口を開いた。


「天使の髪の毛?」


 マイがオウムかえす。


「えー、エルフって天使を髪の毛ごとたべるのですか?私でさえも出来れば動物は皮を剥いだやつの方がいいと思うのに、エルフってワイルドなのですね」


 ドラゴンの化身アンが斜めな驚き方をしている。平常運転だな。


「おいおい、さすがにデルでも天使は食べないだろ、なんかの食べ物の名前だろ」


「はい、天使の髪の毛っていうのはですね、白い麺でとっても細くて水に入れてるのをすくって、タレにつけて食べるものです」


「そうめん、そうめんの事ね、いいわねそれ、それでもしかしてデル、そうめんもってるの?」


 デルにマイがやたら食いつく。そうめんって何なんだ?


「天使の髪の毛の事をこっちではそうめんって言うのですね、はい、持ってますよ」


「いいわね!じゃあ今からそうめん食べるわ」


 マイは即座にスマホを出す。


「ジブル、マイよ、帰って来て今すぐ、それにわさびとショウユとカツオブシとミョウガとネギとショウガとノリを手に入れて来て!」


 マイは何かをジブルに持ってこさせるみたいだが、呪文のようで何の事かわからなかった。


「ジブルが帰って来たらそうめんを食べるわよ」


「僕も食べたいニャー」


 マイにめずらしく猫のモフちゃんが食べ物のおねだりをした。そんなに美味いのか?



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ほう、本当に天使の髪の毛って感じだな」


 食卓の中央に透明な容器に氷と水を入れた中に白くて細い麺が浮かんでいる。めっちゃ涼しげだ。氷はジブルが出したのだけど、これってもしかして、王侯貴族が食する類いのものなのではないか?


「この麺をこのつゆにつけて食べて、こちらにある薬味は少しづつ使ってみて気に入ったのを使って」


 マイが薬味を1つづつ説明する。ネギ、ショウガ、ミョウガ、ワサビ、ノリというもので、東方から伝わったものだと言う。


「まさか、ここまで薬味が揃ったのをみることがあるとは……」


 デルが感動している。


「私は一応、魔道都市の評議員の1人ですから、ツテを頼ったらなんとかなりますよ」


 見た目幼女のジブルが胸を張る。


「この冷たいスープ、なかなか美味しいですね」


「アンちゃん、それスープじゃないからそれに麺をつけるのよ」


「わかってますよ、冗談ですよ、冗談……」


 アンは苦笑いしてるけど、冗談ではなかったのだろう。半分以上アンのつゆはなくなっている。


「「「いただきます」」」


 僕達は麺を箸という2本の棒ですくってつゆにつけて食べる。


 おお、美味い!


 つゆにも氷が入っていて、麺も冷たく心地よい。深みがある味なのにさっぱりとしてるのでどれだけでも食べられそうな気がする。なんか食べてるだけで涼しくなる。

 次はマイの言ってた薬味を使ってみる。どれも刺激的で美味しいが特に個人的には『ワサビ』が最高だ。ツーンとした何かが鼻の中を抜けていく。


「さすがマイさんですね、そうめんのつゆも作れるんですね……」


 ジブルがしみじみとマイに話しかける。


「まさか、実家や東方以外でこんな美味しい天使の髪を食べられるなんて」


 デルはうっとりしている。


「マイ姉様、つゆおかわりいいですか?」


「アンちゃん、飲むんじゃなくてつけるのよ」


 見るとアンは箸を使わず飲んでいる。けど、なんかそれも美味しそうに見える。


「マイ姉様、僕はミョウガ入りでお願いします」


 モフちゃん用の容器にマイがそうめんを入れてあげる。それにはフォークが添えてあって、モフちゃんは後ろ足で座ると前の右足でフォークをもって上手にそれで麺を食べる。見てて可愛らしいけど、どうやって肉球でフォークを掴んでいるのだろうか?ま、いっか。


 そして、僕達はそうめんを食べ続け、マイにまた麺を茹でて貰い、デルのもってたそうめんを食べ尽くした。



 今さっきそうめん食べました。とっても美味しかったので、ザップさん達にも食べて貰いました。

 私的にはネギとノリのざる蕎麦みたいなスタイルが好みです。それかワサビのみ、ミョウガも捨てがたいですね。要は夏はそうめん!そうめん最高です!


 読んでいただきありがとうございます。


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