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 格闘訓練中

 土日は見ていただける方が多いので頑張りたい所ですが、私、土日が忙しくていつもギリギリです。出来る限り頑張ります<(_ _)>


「それでは、本日の技いきます」


「よろしくお願いします」


 道着という前合わせの服があまり似合ってなく思えるエルフのデル先生に、元ダークエルフのレリーフがほぼ垂直に頭を下げる。


 ここは軍隊なのか?


 アンジュ達少女冒険者達がこいつらにどれだけ過酷なトレーニングを課したのかがうかがえる。


 デルとレリーフが対峙する。頭1つ分以上の身長差は裕にある。


「行きます!」


 デルが声を上げる。今日は返し技じゃなくて仕掛け技なのか。まあ、どっちにせよレリーフが痛々しい目に合うのは間違いないだろう。デルの技は相手の力を利用するものが多かったから、僕も地味に痛かった。


 デルが右手を突き出しレリーフのお腹を押し左手でレリーフの右足を掴み押し倒す。そして、倒れたレリーフの両足首をそれぞれ脇の下に挟んでぐるぐる回り始める。デルを起点にレリーフはぐるぐる回る。これは見た事がある『ジャイアント・スイング』という技だ。路上で格闘のショーをしていた者がやっていた技だが、これを実戦でつかう方法があるとは……

 それにそう言えばデルは前にもやってたな。どうやって技をかけたかの疑問がやっと解けた。


 デルは回る速度を少しづつ弱めて、優しくレリーフを床に置く。なんと生ぬるい。僕は個人的には、レリーフを激しくぶん投げるのを見たかった。


「はい、これが朽ち木倒しからの回転投げです。回転投げは簡単なので、あとで朽ち木倒しの練習をしましょう。最近の大会では足を取るのが禁止になって、朽ち木倒しのような実践的で古い技が消滅していきつつあります。見た目が地味だからだと思いますが、回転投げに繋げると、それは見たものに感動を与える華麗な技になります」


 デルが力説する。ジャイアント・スイングが華麗かどうかはおいとくとして、本当に実践的な技だ。知っていたら少し練習しただけで使えそうな技だ。

 大会で禁止ってエルフ相撲の大会の事だろう。


「では、各自練習の前にもう一ついきます」


 また、デルとレリーフが対峙する。若干レリーフは緊張しているように見える。


「いきます。レリーフよけて下さいね」


 デルの放った右ストレートをレリーフはかわす。かわして下がったレリーフの両足をデルががばっと掴む。両足を取られたレリーフは後ろに転んで、背中をしたたかに打ち付ける。


 なにっ、今日は当たりだったのか?


 レリーフの両足に確かにデルが抱きついた。デルは痩せてはいるが、かなりの美人だ。それに抱きつかれるなんて、レリーフ、羨まし過ぎる。2人は離れて立ち上がるが、若干レリーフが赤くなっている。


 僕はマイの方を見る。マイも僕の方を見る。とたんにマイが少し赤くなる。


「はい、今の技は『諸手刈り』と言います。今のように攻撃から繋げると面白いように倒す事ができます。実戦でしたら、あとはマウントをとってフルボッコです」


 今の技を女の子達と……


 かける方も、かけられる方も天国だ。


『諸手刈り』、最高!


「それでは練習始めましょう」


 デルが柏手を打つ。


 トントンッ!


 誰かが僕の肩を叩く。


 気付いてるよ、解ってるよ、あと少し妄想させてほしい。


 トントンッ!


 振り返る。朝黒いマッスルが僕に微笑んでいる。地獄だ……


 僕とレリーフは暑いなかダラダラ汗をかきながら、何度も何度も『朽ち木倒し』と『諸手刈り』を堪能した。


 何が悲しくて、マッスルに抱きつかないといかんのだ?


『諸手刈り』地獄だ……



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