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 忘れられた墓所 中編


 ギルドの職員から渡された、新しく通路が見つかった部屋、F-18に到着する。『忘れられた墓所』にはAからHの今見つかっている8本のメインルートがあり、それに接している部屋に通し番号が振ってある。今いる部屋は南北に道があり、僕達は南から入って来た。東の壁には人1人やっと通れるような穴があり、その脇には積み重なった大小の石とつるはしがある。


「行くぞ」


 僕は収納からハンマーを出して手にする。それにハンマーを手にしたマイが続き、ハンマーを手にしたラパンが続き、ハンマーを手にしたシャリーが続く。その後妖精と猫も来る。


 客観的に考える。巨大なハンマーを手にした男の後ろに巨大なハンマーを手にした見た目か弱い美少女3人しかも私服……妖精と猫もついている。決して冒険者には見えないな。ギャグか?

 

 一応僕は革の鎧などを着ている。


 あとはみんな私服……


 せっかく久しぶりに冒険しているのに、なんか興が殺がれる。今度からは出来るだけ収納禁止にしてリュックとかに冒険道具入れてテントはって自炊してと、もっと自然を満喫したい。あ、それってキャンプなのでは?


「マイさん、今日は斧じゃ無いんですか?」


 歩きながらシャリーがマイに話しかける。


「ああね、ここ狭いから斧邪魔だしね」


「そりゃ、そうですね。けど、それじゃ『首刈りのマイ』じゃなくて『首へし折りのマイ』になりますね」


「シャリーちゃん、『首刈り』じゃなくて『猫耳』よ」


 マイの声が低くなる。自分で言って恥ずかしくないのか?


「は、はい!猫耳、猫耳ですね」


 シャリーは歳の割に世故にたけてるな。元大神官なだけあるな。


「ザップさん、もしよかったらハンマー交換して貰えませんか?」


 ん、交換?ラパンは僕のハンマーが気に入ってるのか?


「やっぱりですね、1番使い慣れた武器がしっくりきます。他のハンマーはなんて言うか軽いのですよ」


 ラパンが可愛い顔して物騒な事を言う。


 僕は立ち止まって考える。そっか、ラパンが戦う時に1番使っていたのは僕のハンマーであって、けど、僕が1番使い慣れたというか使えるのはこのハンマーであって……


「ザップ、1回少しだけ戻ろっか」


 マイが僕の袖をちょんちょん引っ張る。


「けど、急がないと『マカブル』の奴らが……」


「そりゃ、急いだ方がいいけど、装備に不安がある状態で先に進んでもいいことないわ。特に武器はあたしたちの命を預けているものだから」


 僕達は一旦さっきの部屋に戻る事にした。マイの恰好はチューブトップにショートパンツ。その装備には不安はないのだろうか?




 

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