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 忘れられた墓所


『忘れられた墓所』


 僕達は古代に人によって作られたと言われている広大な洞窟に来ている。隙間にカミソリ一枚入らないようなぴったりと組み上げた岩で出来た通路が同様に出来た部屋をつないでいる。

手にした松明が辺りを照らしている。洞窟特有のひんやりとした空気が辺りを包み、すこしえたような臭いがする。


 古代の王や貴族の墓と言われているここは、既に墓泥棒達に盗掘されつくしていて、この遺跡が歴史に登場した時にはもはや朽ちた石の棺を残すのみだった。




 王都にお買い物にいくついでに冒険者ギルドを覗いたら、馴染みのギルド職員が僕を見るなり駆け寄って来た。

 職員言うには『忘れられた墓所』に新たな隠し通路が見つかり、そこの探索に向かった冒険者のパーティーが1週間もたつのに戻って来ないと言う。

 そのパーティーは中堅くらいの強さで、もし彼らの手に余るような魔物と遭遇したのならば、今王都にいる冒険者では誰も太刀打ち出来ないだろうと。

 その冒険者のパーティー名は『ダンスマカブル』。その名前を聞いたとたん僕は踵を返そうとしたが、職員に泣きつかれた。

 彼は『ダンスマカブル』のリーダーのザナドゥに命を助けられた事があるという。

 ギルドの正式な報酬に彼自身の個人資産を足した額は結構なものだった。


「ザップ、いきましょう!」


 目をキラキラさせたマイには逆らえず、僕達はその依頼を受ける事にした。




 今回の目的地は『忘れられた墓所』。一緒に行くメンバーは、まず僕とマイ。アンは今回は用事があるという事でついて来てない。

 まあ、今回の目的地は通路や部屋が狭いから、なんかアンを連れて行ったらドラゴンに戻って遺跡を崩落させたりとかやらかしそうなのでちょうどいいか。


「遺跡?僕もついて行きたいニャー」


 ホルスタイン柄のプリティキャットのモフちゃんがマイの足下ですりすりしている。モフちゃんの強さは未知数だけど、しっかり守ってやれば大丈夫だろう。

 マイが少女冒険者4人にスマホで連絡するが、迷宮内にいるから来れないそうだ。


「えー、墓所、なんか汚くて臭そうなんですけどー」


 もはや派手なギャルでしかない元大神官のシャリーは余り乗る気じゃ無さそうだ。


「報酬は……」


「行く行く、めっちゃ墓所っていい感じ、涼しそうだし今の季節にぴったりですね」


 金額を聞いたとたんに手のひら返しだ。相変わらずぶれないな。聖職者ゲットだ。


「じゃあ、しばらくリナちゃんとナディアちゃんにお店に出て貰いますね」


 魔法戦士のラパンをゲットした。

 けど、謎なのは彼女達はなんでここまで『みみずくの横ばい亭』の仕事を大事にするのだろうか?

 どんな事があってもローテーションで2人はそこでウェイトレスをしている。謎の絶対ルールになっている。


「待って待ってー、あたしもついてくー!」


 ひらひらと妖精ミネアが飛んで来た。


 かくして僕達は、『戦士』、『戦士』、『魔法戦士』、『神官戦士』、『猫』、『妖精』のかなり脳筋寄りのパーティーで『忘れられた墓所』に向かった。




 

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