続 猫の世界
近所にボスちゃんという猫ちゃんがあるのですが、めっちゃデカいです。気高い彼はそう簡単にモフらせてくれません。デブ猫ちゃんをモフモフしたい今日この頃です。
「ああ、どうすればいいんだ…」
僕は懊悩する。
目の前ではモフちゃんがデブ猫たちと戯れている。
「おい、ザップ、今のうちにやっつけちまえ!」
モフちゃんが僕の足下に駆け寄ってくる。
「出来るか!出来るわけないだろう。少し前までオークだったとしても今は猫だ。僕が猫をぶっ殺せる訳ないだろう!」
「何寝ぼけてるんだ、ザップ、あいつらはオークだ!豚なんだよ!」
モフちゃんが僕のズボンの裾を噛んで引っ張る。
「無理だ!僕には無理だ。じゃ、お前がやってくれ」
「え……」
僕の言葉にモフちゃんが固まる。
「なんかなー、俺様、猫だし、猫を殺すのはちょっと……」
モフちゃんは僕から目を逸らす。
「猫?何言ってるんですか、オーク、オークでしょ」
サイコパスドラゴンが嬉しそうに僕からハンマーを奪う。
「アンちゃん、ダメよ、小動物を虐めたら!」
マイが大声を出す。
僕はオークだった猫達を見る。ダメだ。でぶっちょで可愛い。僕はアンの前に手を広げ立ち塞がる。
「アン、駄目だ。猫達を殺さないでくれ」
「ご主人様、何言ってるんですか?オークですよ、オーク!」
ゴツッ!
「いてっ!」
後ろから何かにどつかれた。何だ?
「ブヒブヒブヒ!」
裸のオークの群れだ…
きったないものをみてしまった。
「アンよこせ」
アンから僕のハンマーを奪う。
「くそ豚共がぁーっ!」
「これで心おきなく戦えるわ!」
「弱ってるうちにやっつけてしまえばよかったんですよ!」
僕達は文字通り豚共を蹂躙した。
20匹倒すのに10秒はかかってないと思う。頭の潰れたやつ、首の無いやつ、こんがり焼けたやつ、それらを収納にしまう。僕達は気持ち悪いから食べないけど、オークの肉は美味しいらしくギルドで買い取ってくれるからだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「はい、反省会始めます!」
マイの発案のもと、反省会がはじまった。
僕達はモフちゃんを囲んで座っている。
「まずは、モフちゃん、さっきの魔法は今後禁止です!」
マイがモフちゃんの顔にビシッと指を突き付ける。
「えー、なんでだよ、どんな敵でも弱体化出来る究極の魔法だぜ?」
「どうしてもです!だって、あたしも、ザップもモフちゃんみたいに可愛い猫ちゃんは退治できないからでちゅー」
マイはモフちゃんに抱きつきモフモフし始める。またマイがとろけてしまった。なんか人格変わってないか?
「と言うわけで、お仕置きだ!」
僕もモフモフする。フワフワモコモコ最高だ!
「ご主人様、多分いつか猫に寝首をかかれますね……」
アンが僕達を羨ましそうに見ている。
そして僕とマイは交互にモフちゃんを抱っこしながら帰途についた。
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