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 城での会食


 僕たちは、『みみずくの横ばい亭』のマリアさんに帰還の挨拶をしたあと、それぞれの寝床でしっかり休んだ。そして再び魔道都市を訪れた。


 まずは、国王と謁見して、散々褒めちぎられ讃えられたりした。褒められる系には慣れてないので、なんかこっぱずかしい。褒美的なものもあるそうだ。

 国王が早馬で、魔道都市アウフと北の魔領国アシュガルドの戦争は終結したことの伝令を諸外国に飛ばしたそうで、僕たちの身柄は安全になるだろうとの事だ。さすがは国王だな。

 そしてそのあと、今は城の一室で、ラファ姫様と会食をしている。部屋にいるのは、僕、マイ、アンと冒険者四人とリナとナディア、シャリー、それにラファ姫様と妖精ミネア、ジブルと騎士ミケ、今回の騒ぎに関わった全員だ。


「この後、俺達は迷宮都市の片付けに行こうと思う。その前にラファとラパンの話を聞きたい」


 ぐっちゃぐっちゃにしてきた迷宮都市を戻して来ないとな。もっとも、タワーは黒竜王の封印に使ってしまったけど。


「解ったわ、自分でもあんまり解んない所あるから、ジブル補足してね」


 ラパンは軽く冷たい飲み物でのどを潤すと語り始めた。


 ラパン、いやラファ姫様が言うには、『アダマックス』と言うスキルは物の金剛化、不毀化、要するにどんなものでも壊れなくするスキルらしい。

 僕がシャリーの加護を剥がされて黒竜王に石にされかけた時にラパンがそのスキルで僕を金剛化して、石化の呪いを無効化したそうだ。その時僕は銀色のメタルボディになってたと言う。ちょっと格好いいな。生き物にかけたら、ほぼ全ての攻撃が無効になるけど、動けないそうだ。実際僕も動けなかったし、あの時は僕も石になったものとばかり思っていた。あんまり心地よい状態ではなかった。

 『アダマックス』の権能の支配化では生き物か物質か曖昧なものになるみたいで、そこは今後ジブルが研究してみたいと言ってた。

 迷宮都市の迷宮地下50層で妖精ミネアが世界の名を冠する魔法『マテリアルワールド』の光に飲み込まれそうになったとき、無我夢中でラパンはミネアにそのスキルをかけた。ミネアがメタルな物質っぽいものになったので、収納に入れてそれでミネアは命拾いしたそうだ。僕と同化してたお陰かラパンも収納スキルを手に入れている。

 そして、ラパンは魂魄転換の魔法の副作用か何かで、眠り込んだ訳だけど、あんまり辺りが騒がしくて起きたらタイミングよく僕がやられかけてたので、無我夢中で戦闘に参加してくれたそうだ。本当にやばかった。ラパンが起きなかったら、間違いなく全滅してただろう。


「古竜魔法、『世界』の名を冠する魔法。まだまだ俺も強くならないとな……」


 つい、口から漏れる。正直、僕は僕自身が不甲斐ない。身の回りの者を守る為にはまだまだだな。


「ラパン、ありがとう。今回は世話になったな」


 僕はラパンに頭を下げる。


「何言ってんだよ、ザップ、僕はザップからたくさんのものを貰った。怪我を治して貰って広い世界に触れさせてもらった。ありがとう」


 ラパンも僕に頭を下げる。


「それに、僕はラパンの時にザップの心に触れた事で強くなる事が出来た。僕は英雄ザップに成りたかった。辛い時、怖い時、いつも逃げたしたかったけど、ザップなら逃げない、ザップならこうするだろうって考えると前に進む事が出来た。僕は僕の成りたかったものになれたと思う」


「そうね、誰でもそう成りたいって頑張ったら。夢や願いとかは叶うのかも知れないわね。けど、決して私はスケルトンに成りたかった訳じゃないけど」


 ジブルの言葉にみんな笑顔になる。スケルトンジブルは暴走しまくってたからな。少し懐かしい。

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