第三十話 荷物持ち決心する
たくさんの『いいね』ありがとうございます。いつの間にかこの回が第1話の次に『いいね』が多くなってます。重ね重ねありがとうございます。2022.5.17
たくさんの『いいね』ありがとうございます。この回がナンバーワンになってます。2022.6.11
祝100「いいね」です。ありがとうございますm(_ _)m 2023.3.17
「ガキじゃあるまいし、1人で寝ろ!」
いつの間にかマイが僕の隣で寝ていた。僕はマイに背を向ける。鼓動が早くなる。驚いた。心臓に悪い。顔が熱い、赤面してるのでは? ゴソゴソと移動しマイと距離を取る。そして再び眠りに落ちた。
背中が暖かくて目を覚ました。振り返ると、マイの寝顔がすぐそこにあり、僕は叫び声を呑み込み飛び退いた。
「マイ、1人で寝ろって言ったはずだが」
「だって、寒かったんだもん……」
上体を起こしたマイの耳が垂れている。正直、意味が解らない。寒いと言うより、むしろ熱かったと思う。
気を取り直し、収納からヘルハウンドの肉を出して、軽く腹ごしらえをする。美味しいものは後回しにする主義なので、今食べているのは僕が持ってた臭くて不味い肉だ。それでも2人で食べると何故か旨く感じる。
僕はしばし考えこむ。
これからどうするかだ。
気は進まないが、このままでは不安すぎる。一回やった事だし、多分大丈夫なはずだ。
「奥に進む」
「え、ザップ、何言ってるの?」
「ブレスをもらう」
「何? 意味がわかんない? もしかしてドラゴンと戦うつもりなの?」
今度こそは、ついてこられたら守りきる自信がない。しっかり言い聞かせないと。
「ドラゴンを挑発して、ブレスを収納に入れる。ドラゴンが入って来れない通路でやるから安全だ」
「ザップの安全は信用できない! あたしもついていく!」
マイは取り乱して声を張る。これは駄目と言っても聞かないだろな。そうだ!
「ついてきてもいいが、熱いぞ、それに、服も髪も眉も全身の毛が燃え尽きるぞ!」
「え!」
マイの顔が朱をさしたように赤くなる。そしてうつむく。耳が小刻みに動いている。
マイは自分の頭に軽く触れる。しばらくして、マイは口を開いた。
「わかった……まってる……」
大丈夫そうだな、女の子の考えはわからんな。
「もし、熱くなりすぎたら、泉に潜れ。それでも駄目なときは広間に行け」
「キャッ! ザップ! あたしだって女の子なんだよ!」
僕は首と腰に巻いた大事なミノタウロスの腰巻きを脱いで収納にしまうと、愛用のハンマーを手にした。
「燃えたら困るからな」
これら以外の腰巻きは微妙にサイズが合わない。燃やして失ってしまったら、人としての尊厳が覚束ない。
「行ってくる!」
「が、がんばってね……」
振り返ると、マイは両手で顔を覆っている。だが、その指の間は隙間がある。見えてるだろ、それ!
だが、良い意味で緊張がほぐれた。扉を開けて前に進む。
ふと思う。いままでかつてわざわざ裸でドラゴンと対峙した者はいたのだろうか?
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