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第二十九話 荷物持ち戦利品を集める


「『戦いの前に全てを癒やすがいい』って、まだこの先に何かいるの?」


 マイは眉をひそめる。


「ドラゴンだ」


「ドラゴン! えっ、ザップ、ドラゴンと戦うつもりなの?」


 マイの目が大きく見開かれる。


「いや……」


 戦う訳では無い。


「良かった……」


 マイは胸をなで降ろす。


 その胸元は血塗られた服が切り裂かれていてなんか見えそうだ。見てると何か悪いことをしてる気になる。精神衛生上よろしくない。


「裁縫道具は持ってないのか?」


「持ってるけど? なんで?」


 僕はマイの胸を指差す。


「キャッ!」


 マイは両手で胸を隠す。


 微妙な空気が流れる。


「広間に行く。行水して服を縫え。終わったら呼びに来い」


「置いてかないで! あたし、ザップなら……」


 マイは、顔を赤くして何か言ってるが、無視して広間に向かう。


 扉を開け広間に入る。


 さっきはまさに間一髪だった、もしマイがいなかったら、僕はここで息絶えていただろう。感謝してもしきれない。


 まずはミノタウロス王の所に行く。


 軽く黙祷し、斧を引き抜く。傍らに金色の液体を湛えた小瓶がある。スキルポーションだ。どちらも収納に入れる。


「水浴び、終わったわよ……」


 マイが走って来る。


 早いな。顔が少し不満そうだ。


「ミノタウロスは素材になるものあるのか?」


「角よ……」


 ぶっきらぼうだ。なんなんだ一体? 訳がわからない。


 ミノタウロスの角とドロップアイテムを集める。


 角をとるため、最初の部屋まで戻る。


「何故教えてくれなかった?」


「ザップ、急いでたから……」


 ミノタウロスの角は全部で28本手に入れた。武器は10本ほど。ほとんど斧でハンマー少し。ミノタウロスの腰巻きも何かの役に立つかもしれないので一応取っとく。

 あと、ドロップアイテムは青と赤のポーション幾つかと、銀が1つ。


 収納に入れて、泉の部屋に戻る。


 泉のそばにいると落ち着く。特に水が流れる音が心地よい。


 戦利品を並べてマイに鑑定してもらう。特殊能力を持ってるのは、ミノタウロス王の斧だけだった。


「頑健なミノタウロス王の戦斧+2、スキルは防御力生命力アップと自動修復」


 マイにちょうど良さそうだ。前の斧は壊れた事だし。


「飲め!」


 金と銀のポーションをマイに渡す。


「銀は筋力増強のポーション、金は剛力のスキルポーションね。ザップが今度飲んで」


「駄目だ、マイが飲め!」


「嫌! ザップが飲んで!」


 マイがしつこいので、金はマイ、銀は僕で落ち着いた。


「ザップ、一緒に飲みましょう!」


 何のメリットがあるのか解らないが僕たちは同時にポーションを飲んだ。甘さが心地よい。


 収納からヘルハウンドの肉を取り出し食事して、明日に備えて寝る事にする。


 収納から綺麗に洗ったミノタウロスの腰巻きを出し、毛布代わりにして、泉を挟んで対角線上の場所で、僕たちはしばしの睡眠をとることにした。


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