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 荒野行動


「ううっ、なんか頭痛い。毒治療(キュアポイズン)


 シャリーはリナの背中で魔法を使う。そう言えばしゃりーは酒を飲んだとか聞いたような。酒って毒なのか?

 まあ、僕にとっては毒と変わらないか……


「それで、なんであたしここにいるのですか?それにここは何処ですか?」


 シャリーが眠そうに僕に問いかけてくる。リナとシャリーは行動した時間はそこまで長くないけど、リナがほぼほぼアホの子というのは気付いているみたいだ。さすが大神官。賢いな。


「~と言うわけだ。よろしく頼む」


 僕はざっくりとこれからの計画を話した。


「えー、まじですかぁ……なんかあたしって自分の意思関係なく攫われてばっかですね……まぁ、この美貌と能力だったら仕方ないですけど。ザップさん……責任……とってくれますよね!」


 シャリーが僕をじっと見つめる。責任って何なんだ?パーティーメンバーとして養ってくれという事なのか?


「責任って、要は守って養えばいいって事か?それくらいならなんとかなると思うが……」


「ありがとうございます。ふつつかですがよろしくお願いします」


 シャリーはリナの背中から降りると、僕に腕を絡ませてくる。ん、なんか言うこと間違えたか?僕的にはアンがもう1人増えたような感覚なんだけど。


「そうか、そういう訳か。魔道都市に行くって言って、本当はわらわとシャリーと駆け落ちというヤツをするのが目的だったのだな!」


 もう片方の腕にはリナが腕を絡ませてくる。なんか変な方向性になっていないか?僕は確か魔道都市に夜襲をかける予定だった筈なのに……


「おいおい、お前ら何言ってる。俺達は今から戦いに行くんだろ」


「え、もう戦っちゃうんですか?確かに周りには誰もいないですけど、やはり外はちょっと……」


「それならわらわの国の宮殿に行こう」


 リナが指差した先に魔法陣が現れる。いかん、このままだったら僕が拉致られそうだ。

 星明かりの下、僕は美少女2人に腕を引っ張られて引きずられていく。抵抗してはいるけど振りほどけない。なぜなら両腕には幸せな感触が。リナの胸部装甲は金属だと思っていたけど意外な事に柔らかい。さらにシャリーはまだ若いのにデカくてそれがあたる僕の腕に……


 バチーン!


 いきなり僕は頭を誰かにはたかれた。地味に痛い。


「ザップ!遅いと思ったら何こんな所でイチャイチャしてんの!もしかして、駆け落ちする気なの!」


 マイの声だ。マイは隠密みたいな黒装束を着ていて、その隣にももう1人黒装束がいる。


「まて、マイ、誤解だ迷ってただけだ!」


「駆け落ちするかどうか迷ってるの!」


「違う違う!道に迷ってるんだ!」


「人の道を踏み外すかどうか迷ってるの!」


 いかん。どつぼだ。泥沼にはまっていく。辺りが冷えてくる。マイ必殺の怒りの冷気だ。今度スキル鑑定してみよう。そんな事どうでもいい。今はこの場をしのがないと命の危険を感じる。


「良く聞け、マイ、俺は魔道都市に夜襲をかけようとして、そこに行く道に迷ってるんだー!」


「ザップ!な・ん・で、あたしたちを置いて行ったの!」


 うお、そこもかー……


「ごめんなさい」


 爺さんの教え、とりあえず謝る。僕は冷たい大地に頭をつけた。


 何でどうしてこうなった……


 

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