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 落下のダメージ


「ウォボオオッ!」


 変な叫びが口をついてしまう。僕は空中で体勢を整えて、自分の回りの位置を把握をする。失敗は間違いなく悲惨な事になる。エリクサーを振り撒きながら地面に衝突したら、みんな死にはしないけど、痛みは激しく気絶する者もいるだろうし、服は血や飛び出た骨などで酷い有様になるだろう。


 集中して収納からそれを出す。


 ザザッ!ゴッ!ドッ!パキュッ!



 ドドーン!



 僕たちは床に叩きつけられる。建物全体自身が酷く揺れ地響きみたいな重く大きな音が鳴り響く。


 そばに落ちて来たマイとデルは何とか抱き止める事は出来たけど、手は二つしかない。

 残念な事にシャリーは床に叩きつけられてる。彼女はなんとか足から着地出来たみたいだけど、見事に床に180度ぴったり開脚している。体柔らかいな、それとも裂けたのか?スカートが捲れて酷い事になってるので目を逸らす。背負ったラファは無傷みたいだ。


 なんとか多分ほぼ同じ所に収納に入れたタワーを出す事で、数階分落下するだけで済んだ。ほんの少しのズレがあっただけで、激しい地震みたいになってしまったが。


「ハイヒール!」


 シャリーの声が響く。回復魔法だろう。デルなんて気を失ってるのに気丈なやつだな。


「ザップさん、股裂けたです。脱臼して立ち上がれないです」


 シャリーはなんとか元気みたいだ。マイとデルを床に降ろす。


「ありがとう、ザップ」


 マイは軽く抱きついてから離れる。なんか照れてしまう。


「え、私、無傷?」


 デルは床に置いたらすぐに気がついた。


 ん、なんか忘れているような?


『ザップ様ひどいですー…』


 風に乗り囁き声がする。


 あ、ジブルの事を忘れてた。いつの間にか手を離してた。辺りを見渡し、床に割れた食器みたいなものが固まってるのを見つける。


「すまん、忘れてた。ジブル……成仏してしまったか……」


 僕は軽く黙祷する。守ってやるという約束、守れなかったな……


『成仏してないです!私の体を近くに置いて下さい』


 言われた通りに、袋に入れてデルが持ってたジブルの骨を砕けた髑髏のそばにまいてやる。なんか怪しい儀式みたいだ。


 カラカラカラカラ!


 骨が足から組み上がり、最後に破片が飛び上がり舞って髑髏が組み上がり。立派なミニスケルトンジブルが復活した。


『ふうっ、やっと疲れがとれました。この体思いの外頑丈なんですよ、凄いでしょ』


 頑丈って、さっき割れまくってたよな。凄いな、けど気持ち悪いわ。


「あたしの事も忘れないで下さいよー」


 シャリーは開脚して上体を床についてる。背中にはラファがいて、なんか柔軟体操をしてるめっちゃ体柔らかい人みたいだな。体が固い僕はすこし羨ましい。


「ザップ、あっち向いてて」


 マイに言われて後ろを向く。


 こきゅっ!


「ぎゃあ!」


 ぽきゅ!


「うひーっ!」


 背中越しにシャリーの女の子としてはよろしくない声がする。


「危なかったです。なんか出ちゃいそうでした…」


 むー、下品だな大神官!マイにお仕置きされても知らないぞ。


 振り返ると、デルがラファ、マイがシャリーを背負っている。


「シャリー、また変な事言ったら置いてくわよ」


 僕らの道徳の伝道師マイからの指導がシャリーに入った。


「また変な事って、まだあたしの股変ですぅ!」


 シャリー、や、やっちまいやがった!


 しかも微塵も面白くない!


 マイから冷たい空気が噴き出す。


「ラストチャンス……ラストチャンスよ……」


 マイの口から地の底から響くような冷たい声が漏れる。


「ま、マイ姉様、つい出来心で……申し訳ございませんでした」


 シャリーがぎりぎり空気読めるやつでよかった……


 それから僕は、タワーを収納に入れて出すを丁寧に繰り広げて、1階づつ塔を降りて行った。そのたびにジブルが崩れるので面倒くさいので袋に入れてやった。

 

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最強の荷物持ちの追放からはじまるハーレムライフ ~
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