研究施設
『調べた所、ここにあるので生きているのは、生物融合の魔方陣とそれに魔力を込める魔方陣、それと転移魔方陣、あと、魔物召喚魔方陣、いけませんね、召喚魔方陣は暴走状態で、いつ召喚門をこの世と魔界を繋いでもおかしくない状態です』
ジブルは、研究施設のタッチパネルをいじりながら立て板に水で話し続ける。
『ザップ様、妖精ミネアさんが使った魔法消去魔法は多分その時に所持してた魔道具を全て無力化してます。その時なにか装備してましたか?』
「そうだな、俺達の武器くらいかな?」
「あ、ラパンの金のパンツもあるわ」
さすがマイ、パンツの事なんか忘れていた。
『それらを今光っているあの魔方陣の中に入れて下さい』
「ああ、解った」
俺達はミノタウロス王のハンマーとミノタウロス武器を魔方陣に入れる。
あ、ラファ、シャリーに服脱がされてる。
「ザップ!あっち向いてて!」
何気なしにラファの方を見ると、マイに軽く怒られる。んー、これっぽっちも変な気は無いのに、さんざんラファの時に体は見たから自分自身を見てるようなもんなんだけどな……
ジブルがタッチパネルをいじり、魔法の込められていた武器と金のパンツは光に包まれる。なんかシュールだ。けど、助かった。僕のミノタウロス王のハンマーの魔法も消失してるという事には思いも寄らなかった。そのまま使っていたらぶっ壊れていた事だろう。
『生物融合の魔法陣は徹底的に壊しておきますね、元に戻す能力はないみたいです。このまま残してもいいことないですし』
「ああ、頼んだ」
中央にあった巨大な二つの魔方陣が眩く光ると消滅する。
「ジブル、その生物融合に関する資料とかもあったら全部消しててくれ、あと、そこの資料とかも燃やすぞ」
僕は辺りにあった本棚の本とレポートみたいなのを全て収納から出したドラゴンブレスで消し去ってやる。もうこれ以上魔物と融合される犠牲者と、魔物と合体する馬鹿を出さないために。
「ジブルさん、その召喚魔方陣は無力化出来ないのですか?」
シャリーがジブルに問いかける。僕もそれが1番気になっていた。
『今やっているけど、ダメです。もうコントロールを受け付けません。手作業で魔方陣を一つ一つ潰すしかないです』
「ジブル、どうなってるのかもっとわかりやすく説明して」
マイがジブルに近づいていく。少しは慣れたみたいだな。
『この迷宮の魔物は、集めたエネルギーにより魔方陣で異界から召喚する形で集められてます。それが固定化して、無尽蔵に魔物が出て来るようになります。それを防ぐ方法は魔方陣を壊して行くしかないです。すみません、私はもうエネルギー切れです』
ジブルはそう言うとカラカラ音をたてて崩れ去った。
「キャッ!ジ、ジブル!」
マイは驚いて尻もちをつく。完全にホラーだ。僕も軽く声が出そうになった。
『少し寝ます。袋にでも入れてて下さい』
なんて気持ち悪い寝方なんだろう……
成仏したのかと思って心配してしまった。
「ザップ兄様、隣の部屋に強力な魔物の反応が!」
デルが叫ぶ。僕はジブルのしゃれこうべを掴んで走り出した。